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GROOVY LIFE in KYRGYZ! ~キルギスで人生をグルーヴ~ Vol.6

授業後の校務

Саламатсыздарбы(こんにちは)!キルギス愛に溢れる男、長谷川貴司です。すっかり春ですね!新学期、就活、人事異動で桜を堪能する暇なんてないかもしれませんが、いかがお過ごしでしょうか?新たなシーズンを充実させていきましょう!

まず近況報告ですが、3月25日に千葉県銚子市にて、「音の街in銚子音楽交流祭2018」というイベントが開催され、私はイベント実行委員兼プレイヤーとして参加してきました。太平洋が一望できる絶景の野外ステージで、中央アジア要素満載のオリジナル曲を中心に、大爆音でDJをさせていただきました。

地域の音楽イベントに企画から参加し、ちゃっかり自分の出番もつくって自己表現する活動を実践できたことが収穫です。ちょうど地域音楽コーディネーターという資格も取得したので、今後は千葉の北総・東総エリアを中心に、音楽で地域を活性化していきます。当然ですが、千葉の次はキルギスです(笑)。

さて、Vol.5では授業についての話をしましたので、今回はその他の校務について触れたいと思います。14時に授業が終わると生徒は帰宅します(補講や部活のある生徒は午後も登校)。教師は各自昼食をとり、校務を続けます。

昼食時、私は校長のリュドミラ・ニコラエヴナ、教頭のイリーナ・ヴァレーリエヴナ、校長補佐のタチアナ・ヴィクトロヴナと、あと2名ほどの選ばれし教師(ちなみに全員女性)と一緒に、食堂の奥のキッチンでピロシキとミルクティーをいただくのでした。ここで、今後の学校運営から、進路指導のこと、チョルポン・アタの街の動向まで様々な話題が展開されます。超高速のロシア語で(泣)。私はこの幹部ランチミーティングに呼ばれる理由がわからないまま、2年間ピロシキを頬張りながら相槌をうつ係でした(笑)。

たまにお祝い事で、中央アジア料理のプロフやボルソック(揚げパン)が振舞われる時がボーナスタイムです。余った料理は、「たかし、全部持って帰りなさい」と、皆がおかんと化し、フルーツやお菓子もろともタッパーに詰めてくれるので、家に持ち帰り飢えをしのぐことができたのでした。


職員室にて:赤い服が校長リュドミラ・ニコラエヴナ
後段の右端が教頭のイリーナ・ヴァレーリエヴナ
後段の左から2番目がタチアナ・ヴィクトロヴナ

昼食後の私の業務は大きく2つあります。ひとつは壊れたPCの修理で、もうひとつが教師の資料作成支援です。具体的にはPowerPointを使って教材作成をします。当時は、教科書不足という問題があり、教科書を持っている生徒と持っていない生徒がいたのです。日本と同様、学校が教科書を支給しますが、使い古しの中古です。そして、数が足りていないので全員に行き渡りません。そもそも本屋が首都に1、2件あるというレベルなので補充もできないのです。数名の生徒で1冊をシェアするというのもなんだか変。というわけで、授業の教材をPCでつくりましょうと決めました。

ドイツや米国等の海外支援機関がPC、プリンター、プロジェクターを導入してくれていたので製本することもできるし、スクリーンに投影してインタラクティブな授業をすることもできるのです。なによりも、教師が主体的につくった教材は、生きた授業になるという意味で、教科書問題を解決する以上の効果がありました。



ITを活用したインタラクティブな授業を試行

教材以外にも大事な資料があります。それが海外支援機関向けの成果報告書です。支援機関によって導入されたIT機器を有効に活用し、教材を作成、教科書不足の問題を解決した旨の内容を、授業風景の写真とともに成果報告としてまとめます。さらに支援機関が視察に来るタイミングでプレゼンテーションをすることで、さらなる支援の獲得につなげることができるわけです。

この報告書作成に役立てるため、写真撮影には積極的に協力しました。現在はスマホでいくらでも写真が撮れますが、2009年当時は写真といえばデジカメで撮るのが一般的でした。ただし、キルギスではデジカメは誰もが持てるものでもない。一眼レフのカメラを持つ私への期待は大きく、はっきり言って、私の存在価値そのものでした(笑)。このような、日本人なら持っているデジカメという物理的なモノで貢献するやり方には賛否両論あるのは認識していましたが、私は現場のニーズを優先し、撮影を頼まれれば気持ちよく応じることにしました。

結果として、撮影を通して教師や生徒とのコミュニケーションが生まれ、さらに膨大な記録を残すことができました。これは2年間の出来事を思い出すことにも役立っています。どさくさに紛れてプライベート用の撮影もたくさん頼まれましたが、いまでも生徒のSNSにアップロードされている写真を見て、「あ、これ俺が撮影したやつじゃん!」と嬉しい発見をすることもあります。

市議も務めるバリキャリの校長、リュドミラ・ニコラエヴナは生物の授業も担当

もうひとつ、PCを活用して効率化したことがあります。試験問題の作成です。いままでは手書きだったり、過去の試験問題のコピーだったりしたのを、Wordで作成するようにしました。ただ、PC操作が苦手な教師も多く、その場合は生徒が狩り出され、教師が手書きで書いた問題をせっせとWordでタイピングしていくのでした。

Word作成を受託した生徒が事前に試験内容を知ってしまうという問題はとりあえず置いておいて、赴任直後は、ゲームに興じていたゲーセンさながらのPC教室が、Wordで資料作成をする風景に変わったことが、私にとってはなによりも素敵なことなのでした。


試験問題作成代行作業(笑)※イメージ写真

今回はここまでです。次回は部活について触れたいと思います。お楽しみに!


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