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カリダス 第3話
<異国の地での再会>

公園内で新たな日本を発見したカリダスが、家に帰ろうとしたところだった。偶然カトマンズで一緒に日本語を勉強したネパール人の友人と会った。異国の地で母国の友人と会えるとは。しかも自分が住んでいる地域で会えるとは、すごいなぁ。。と思いながら、サンカルに声をかけた。サンカルもびっくりした顔をして、"ええ!なんでいるの?"と声を出してしまう。

カリダスはサンカルが日本に居る事は知っていたが、自分が住んでいる地域の近くで会えるとは、夢にも思っていなかった。世界は本当に狭いかもしれない。実はサンカルはカリダスより半年前に日本に来ており、現在は品川港南在住、恵比寿にある日本語学校に通いながら、泉岳寺のコンビニでバイトしているようだ。

久々の再会だからだろうか。二人は近くの喫茶店で軽くお茶する事にした。そう言えば、カリダスは日本に来て、喫茶店に入るのは初めてだった、注文の仕方等はサンカルに教わった。カリダスはカフェモカ、サンカルはソイラテを頼んだ。

店に入る時、全店員が一斉に"いらっしゃいませ"、"ご注文いかがでしょうか"と言い、カリダスは"あぁすごい、みんなが明るくて、元気良くて、気持が良い"とサンカルに言う。

サンカルは、"そうだよ、ここは日本だよ。日本ではお客様は神様だからねぇ。。"と言う。
カリダスは、"ネパールでもお客様は神様と言うが、ここまでのサービスはないんじゃない?"と言う。
サンカルの"郷に入れば郷に従え"と言う言葉の通り、ネパールと日本は簡単に比較をしてはいけない。その国にはその国ならではの特徴や良さがあり、国民はそれに満足しているのだと言う。

カリダスも確かにそうかもしれないと納得した表情をする。こんなような形で二人の会話が始まる。自分より半年前に来日したサンカルに色々教えてもらいたかったからだろうか、いきなり日本語の覚え方、アルバイトの探し方、奨学金の探し方について質問攻めをしてしまう。

サンカルも半年前に来たばかりだったため、カリダスの質問に対して全てを答える事はできなかったが、日本語の覚え方についてはやはり、日本人コミュニティに入る、友達を沢山作る、そしてアルバイトをする事を推奨したのだった。

楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうと良く言われるように、サンカルが夜勤のアルバイト先に向かう時間になってしまい、お別れすることとなる。最後にお互いの連絡先を交換し、次にまた会う約束をし、サンカルは夜勤のバイト先へ、そしてカリダスはアパートへ帰った。

カリダスはアパートへの帰り道にサンカルに言われたことを思い出し、これからは日本人の友達をできるだけ多く作る環境に自分を置き、日本語に触れ、日々勉強していきたいと思うのだった。

(続く)

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