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GROOVY LIFE in KYRGYZ! ~キルギスで人生をグルーヴ~ Vol.4

オスモノフ中等学校

Саламатсыздарбы(こんにちは)!キルギス愛に溢れる男、長谷川貴司です。1月は大寒波に見舞われましたが、いかがお過ごしでしたでしょうか?私の今年のテーマは「音楽×地域活性化」。音楽に溢れるまちづくりや国際交流に積極的に関わっていきたいと思います。そして、この連載コラムを通じて、より多くの方にキルギスという国、文化、人々に興味を持っていただけると幸いです。

さて、2009年8月にチョルポン・アタ入りし、生活基盤も整えたところで、いよいよオスモノフ中等学校でのPCインストラクターとしての活動がはじまります。オスモノフ中等学校は「ギムナジア」と呼ばれる11年一貫制の学校で、6歳から17歳の子供たちが学んでいます。学校は一体どんな雰囲気なのだろうと、日が近づくにつれ緊張感が高まっていきました。

私は教職経験もないですし、ロシア語が流暢なわけでもありません。「使えないやつ」だと、学校や生徒から干されたらどうしようという不安な気持ちでいっぱいでした。日本では、いじめ問題やモンスターペアレントに関するニュースをテレビで見ることも多かったので、正直、学校で働くことに対しての恐怖感もありました。ところが、そんな心配は学校が始まるとすぐに吹き飛びました。

生徒との初めての遭遇は、8/31に行われたキルギスの独立記念日のパレードでした。そのパレードに参加した子供たちのなんと可愛いこと!そして、翌9/1の新学期初日には、女子生徒たちからたくさんの薔薇の花をもらい、また男子生徒からはすれ違うたびに握手を求められました。花を贈ることや、握手することは日本では日常生活の中に溶け込んでいませんよね。すごく気持ちが伝わっていいなと思いました。なので、私は会社でも信頼関係を築きたい相手に対しては握手しています。花束を会社に持っていくと引かれるので、まだ一歩が踏み出せていませんが、そういうことをさりげなくできる男になりたいです(笑)。


独立記念日のパレードに集まった子供たち

学校の教師は、ほぼ全員が女性です。そして、とても威厳があります。教師は第二の母的な存在。どんな悪い子も先生の前では赤子同然。キルギスにいた2年間、いじめという陰湿な行為に一切遭遇しなかったのも、パワフルな女性教師の存在が大きいと思います。当時一緒に働いた教師陣は8年経った2018年の今でも皆現役で働いており、彼女たちから送られてくるメールや写真を見るととても元気になります。

PCインストラクターの仕事

PCインストラクターとしての仕事内容ですが、実は青年海外協力隊の募集要項の中に具体的な学校側の要望が書かれていました。「カウンターパートとなるIT教師を補佐し、教師および生徒に対して、Word、Excel等のアプリケーションの活用方法について指導する」というものでした。Word、Excelは日々仕事で使っていましたし、カウンターパートの補佐であればなんとかなるだろう。とにかく、ロシア語での意思疎通が問題なくできるようにすべく準備を進めてきました。ところが、活動が始まって早々、衝撃の事実を知らされます。

カウンターパートのIT教師は既に退職していたのです(笑)。これは、青年海外協力隊あるあるネタのひとつです。いわゆる新興国、発展途上国においては、状況は刻々と変化しており、人の入れ替わりも劇的に早いです。いざ、その国に行ってみたら、カウンターパートがいないどころか、配属される団体自体が存在しないということもよくあります。そんな状況でも、自分の役割や使命を見つけて活動することに青年海外協力隊に参加する醍醐味がありますので、これから挑戦する方は、そんなスリルも楽しみにしてもらえればと思います。

さて、我がオスモノフ中等学校の場合はIT教師なき状態で、PC教室が完全に無法地帯と化していました。PCは半分以上が起動せず、一部の生徒が放課後に稼働PCでゲームに興じるゲーセンになっていました。

無法地帯のPC教室

そこで、まずはこのPCを教務や授業で使える状態にすることが自分の役割であると認識しました。JICAの技術補完研修よ、どうもありがとう!研修で習得したPCリペア(修理技術)のスキルを活用し、故障したPCを解体して生きているパーツを集約しながら徐々に稼働PCを増やしていきました。そして、その修理作業を公開し、実際に触ってもらう時間をつくることで子供たちのハートを掴んでいったのでした(笑)。

公開PCリペアの様子

しばらくしてから、学校に新しいカウンターパートがやってきました。ロシア人のタチアナ・ヴィクトロヴナ、この先2年間を共にする心強い教師です。彼女が校長の補佐をしつつ、情報科学の授業を担当することになり、そのお手伝いをすることになりました。これでようやく私の役割が徐々に見えてきたのでした。


動物もたくさんやってくるPC教室

今回はここまでです。次回も学校での活動について書きたいと思います。お楽しみに!


  • シルクロード雑学大学 長澤法隆 より:

    はじめまして、長澤法隆と言います。1999年からキルギスに何度か旅行に行っています。2006年からは抑留された元日本兵のことを調べています。イシククル湖の南岸にあるタムガ村に、1946年から1948年まで抑留された元日本兵がいたことを明らかにしています。わたしのブログhttp://blog.goo.ne.jp/silkroad_university
    でも長谷川さんのサイトを紹介したいと思います。長谷川さんのサイトは、facebookで知りました。今年も7月にキルギスへ旅行行く予定です。仲間と一緒です。仲間にも長谷川さんのサイトを読んで、キルギスの事を知ってほしいと思っています。よろしくお願いします。

    • 長谷川貴司 より:

      長澤さん、コメントどうもありがとうございます!反応をいただけるのはとても嬉しいです。さらにサイトで紹介いただけるなんて光栄です。タムガの調査の件は存じており、日本人として誇りに思います!今後ともよろしくお願いします。

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