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エチオピア基本情報

エチオピアは、東アフリカに位置する連邦共和制国家である。19世紀の末に2度イタリアの侵略を受けたが、1896年のアドワの戦いによって、これを退けた(第一次エチオピア戦争)。このことは、アフリカの帝国がヨーロッパ列強のアフリカ分割を乗り切り独立を保ったという画期的な出来事だった。

<民族・言語・宗教>
国民の大多数は黒人とアラブ人の混血のエチオピア人種が大多数。最大の勢力はオロモ人で34.4%を占める。次にアムハラ人が27.0%で、その他ティグライ族等80以上の異なる民族で構成される多民族国家である。新政権は民族ごとに州を新設し、各民族語による教育を認めたため、最大民族であるオロモ人の勢いが強くなっている。
連邦の公用語はアムハラ語であり、教育・政府機関などで共通語として全土で広く使用される。英語は第二言語として学ばれ、中等教育(9年生~)以上では英語が教育言語となっている。
キリスト教が62.8%と最も多く、続いてイスラームが33.9%、アニミズムが2.6%である(2007年国勢調査)。帝政時代はエチオピア正教を国教としていたが、連邦憲法11条は政教分離を定め、国教を禁じている。

<地理・気候>
国土の大部分がエチオピア高原を中心とする高地で、年平均気温は13℃と冷涼である。国土の中央にある首都アディスアベバの標高は2400m。エチオピア高原は本来の地形は平らだが、標高が高く降雨が多いため浸食が激しく、非常に深い谷や崖が多い。この地形は外国勢力からの防衛には適しており、エチオピアが植民地化されなかった理由にもなったが、一方で交通インフラを整備するにはまったく不適切な地形であり、経済発展上の一つのネックとなっている。
エチオピア高原は降水量が多く、年間降雨量は1200mmを超す。この豊富な降雨量が、エチオピア高原にゆたかな植生をもたらし、また農耕もおこなわれ、アフリカ第2位の人口を支えている。

<政治・外交・軍事>
政体は連邦共和制で、エチオピア1995年憲法を現行憲法とする。大統領は下院より選出され、任期は6年。2013年10月7日に就任した第3代大統領のムラトゥ・テショメはかつて駐日大使であった。
議会は二院制。上院108議席、下院548議席となっており、任期は上下院とも5年。
エリトリアとは同国が1993年にエチオピアから独立して以降緊密な関係を維持していたが、1998年5月、国境画定問題を巡って武力闘争が発生した。2000年12月「和平合意」が成立するが、国境画定に係る意見の相違から国境問題は未解決で、国交正常化には至っていない。
総兵力13.8万(陸軍13.5万及び空軍0.3万)。海軍は1990年代にエリトリアと連邦を解消するまでは僅かながら存在していたが、連邦解消後内陸国となってしまったため廃止された。

<経済>
主要産業である農業はGDPの41%で、輸出と労働力の80%を占めるが、機械化が進まず生産性が低い。国土の10.7%が農地として使われており、農業に従事する国民の割合は30%に達する。東アフリカの水貯蔵庫と言われるほどに河川が存在するが、灌漑には1.5%のみ、発電には1%しか使われていない。
慢性的な食料不足に加え、高度経済成長に伴って生じたインフレや、世界金融不安や原油等の国際価格の上昇に伴う影響が顕在化している。2004年から2011年にかけて8年連続で経済成長率二桁を記録するなど、アフリカ諸国の中でも高い成長率を維持し続けているが、依然として最貧国から脱出できない状態にある。
商品作物では、コーヒー豆(26万トン、7位)、ゴマ(6.1万トン、8位)が際立つ。この2商品だけで、総輸出額の50%弱に達する。コーヒーはスターバックスと契約した。近年は、花と植物の世界有数の輸出国にもなりつつある。

【まとめ】

  • 面積:109.7万km2(日本の約3倍)
  • 人口:9,098万人(2014年 )
  • 首都:アディスアベバ
  • 言語:アムハラ語、英語
  • 宗教:キリスト教、イスラム教他
  • 政体:連邦共和制
  • 元首:ムラトゥ・テショメ・ウィルトゥ大統領(2013年10月就任)
  • 首相:ハイレマリアム・デサレン
  • 国防予算等:351百万米ドル(2012年)
  • 主要産業:農業(穀物、豆類、コーヒー、油糧種子、綿、サトウキビ、ジャガイモ、チャット〈エチオピア原産の常緑広葉樹〉、花卉、皮革〈牛、羊、山羊〉)
  • 主要輸出品目:コーヒー、チャット、金、革製品、油糧種子
  • 主要輸入品目:石油、石油製品、化学製品、機械類、自動車、穀物・穀類、繊維
  • 主要貿易相手国(輸出):中国(13%)、ドイツ(10.8%)、米国(7.9%)、サウジアラビア(7.8%)、ベルギー(7.7%)
  • 主要貿易相手国(輸入):輸入 中国(13.1%)、米国(11%)、サウジアラビア(8.2%)、インド(5.5%)
  • 主要援助国:米国:706.66、英国:552.25、日本:119.70、カナダ:118.64、ドイツ:101.21(2011年 単位:百万ドル)

参考資料:

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