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キルギス基本情報

キルギス共和国は中央アジアに位置し首都はビシュケク。1991年に旧ソビエト連邦から独立。天山山脈の峰々、その雪解け水をたたえ「中央アジアの真珠」と称されるイシククル湖など魅力的な大自然を有することでも知られている。かつての正式国名はキルギスタンであり、改称以降も別称として公式に認められている。タジキスタンやカザフスタンなどにみられる「~スタン」とは、ペルシア語で「~の場所、土地」を意味する言葉である。

<民族・言語・宗教>
キルギスは多民族国家である。構成は、キルギス系(72.6%)、ウズベク系(14.5%)、ロシア系(6.4%)、ドウンガン系(1.1%)、タジク系(0.9%)、ウイグル系(0.9%)その他タタール系、ウクライナ系など(キルギス統計委データ)。独立前の1989年にはロシア人は全人口の21.5%を占めていたが、独立後は多くが国外流出した。

キルギス語が国家語、ロシア語が公用語となっているが、母語話者の割合はキルギス語が65.2%、ウズベク語が14.7%、ロシア語が14.0%である(1999年の国勢調査)。独立後もロシア語を公用語とする理由は、ロシア語系住民の国外流出(頭脳流出)を防ぐためであり、教育、ビジネスや政府機関で幅広く使用されている。
宗教は、イスラム教が75%、正教が20%、その他が5%

<地理・気候>
北から時計回りにカザフスタン、中華人民共和国、タジキスタン、ウズベキスタンと国境を接しており、国土の40%が標高3,000mを超える山国。東西に長く、中国との国境には天山山脈が延びる。南に位置するタジキスタンに向かってパミール高原が広がる。
国内に砂漠は存在しない。東西に伸びる渓谷部分は夏季に雨が少ない温帯の地中海性気候で、人の居住に適している。山地は亜寒帯湿潤気候、特に高地は高山気候となる。天山山脈をはさんで南方の中華人民共和国と、テスケイ・アラ・トー山脈をはさんで北方のカザフスタンには、ステップ気候と砂漠気候が広がる。

<政治・外交・軍事>
政治体制は共和制であり、国民による直接選挙で大統領と議員が選出される。大統領の任期は6年(再選なし)。首相は議会の承認に基づき大統領によって任命される。議会は一院制(定数120)。2003年の憲法改正により二院制から一院制に移行した。
キルギスは独立国家共同体(CIS)に加盟しており、他のメンバー、特にカザフスタンやロシアとともに親密な関係を保っている。
軍事力の規模は、総兵力10,900人(陸軍8,500人、空軍2,400人)、準兵力9,500人となっている。2001年12月以降アフガニスタンにおける対テロ作戦実施のため米軍が駐留していたが、2014年7月に撤退。ロシア軍は2003年10月以降、集団安全保障条約機構(CSTO)の枠組みの下で、カント基地に駐留している。

<経済>
主要産業は農業及び牧畜業、農畜産物を加工する食品加工業、金採掘を中心とする鉱業である。水資源が豊富で水力発電に利用されている。農業は主として輸出品目にもなっている綿花、タバコの栽培が活発に行われている。鉱業は金、水銀、アンチモンなど。1997年に採掘がはじまったクムトール鉱山は、世界屈指の金鉱山である。また水銀(ハイダルカン鉱山)は2002年のデータで世界第3位の産出量を誇っている。ソ連から独立後は、観光産業に早くから注力する。旧ソ連邦でも先駆けてヨーロッパや日本からの観光目的の入国に際し、ビザ不要を打ち出した。従来から多額の累積債務を抱えており、2013年末で60億ドル(GDPの80%以上)。通貨はキルギス・ソム。

【まとめ】

  • 面積:19万8,500km2(日本の約2分の1)
  • 人口:600万人(2016年:国連人口基金)
  • 首都:ビシュケク
  • 言語:公用語はロシア語、キルギス語が国語
  • 宗教:イスラム教スンニ派(75%)、ロシア正教(20%)、その他(5%)
  • 政体:共和制
  • 元首:ソオロンバイ・ジェエンベコフ大統領(2017年11月24日就任)
  • 主要産業:農業・畜産業(GDPの約3割)、鉱業(金採掘)
  • 主要輸出品目:貴金属・真珠・宝石、化学製品、鉱物製品、繊維製品、野菜・果物
  • 主要輸入品目:鉱物製品、機械設備、化学製品、運輸関連製品、食料
  • 主要貿易相手国(輸出):スイス、ロシア、ウズベキスタン、カザフスタン、トルコ
  • 主要貿易相手国(輸入):ロシア、中国、カザフスタン、米国、日本、ドイツ
  • 主要援助国:米国、ドイツ、スイス、日本、英国

参考資料:

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