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食から読み解く中央アジア
第2章 中央アジアの世界②

中央アジアは内陸性気候であり、夏は暑く、また冬はとても冷えます。そして何より乾燥しているのが特徴です。古い都市が点在するサマルカンドやブハラは中央アジア南部の砂漠地帯にあるオアシス都市であり、この地域の文化の中心となっています。一方で中央アジアの北部は広大な草原となっており、遊牧民の活躍する舞台でした。

よって、この地域の食文化を考える上では、南部のオアシス都市に定住して農耕を行う民族のものと、北部の遊牧を生業とする民族のものと大きく二つの系統があることを押さえておく必要があります。さらに、この地域は民族の移動、交流の歴史があるので周辺の様々な地域の食文化の影響を受けています。そうした見方をすると中央アジアの食文化は多面的で奥深く、とても魅力あふれるものだと言えるのではないでしょうか。

交流の歴史といえば、中央アジアの代表的な食べ物と言えばナン(ノン)という丸くて大きな平焼きパンがあります。これは食事の際は必ずと言ってよいほど食べられる、言わば主食です。

ナン(ノン)

一方で前回少し触れたプロフという炊き込みご飯も重要な料理です。ユーラシア大陸の食文化を見渡すとパンを主食とする文化圏と米を主食とする文化圏と大きく分けることができるのですが、中央アジアでは小麦も米もどちらも重要な食材として見ることができる地域です。

小麦の栽培は西アジアを起源とするものであり、稲作は中国南部を起源とするものと言われています。このように中央アジアは西の小麦と東の米が出会う場所であると言うことができます。

次章からは、この中央アジアがどのような地域の影響を受け、どのような食文化を持つか紹介していくことにします。

写真:
「ナン」著者撮影

  • 中崎 巧 より:

    アジア、中東地域のハラール分野で活動しております。よろしくご指導ご支援を賜ればと思います。よろしくお願いいたします。

    • 先崎 将弘 より:

      中崎様
      ご興味を持っていただいてありがとうございます。中央アジアとアジア、中東地域の食については共通する部分もあります。いろいろと情報を共有をさせていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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