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東ティモール基本情報

民族・言語・宗教

住民はメラネシア人が大部分で、その他華僑(客家)、印僑(インド系移民)、ハーフカスト(ポルトガル人とメラネシア人の混血)、ごく少数のカーボベルデなどアフリカ系の移民などが存在する。

東ティモールには15の主要言語があるとされており、公用語はテトゥン語とポルトガル語。マカサエ語やファタルク語などのパプア諸語(トランスニューギニア語族)とテトゥン語やマンバイ語(オーストロネシア語族)などが中心に話されている。 その他、インドネシア統治期に教育を受けた30-40歳代を中心にインドネシア語が使われているものの、世代間で使用できる言語が異なっている事が問題となっている。東ティモールは独立時の2002年からポルトガル語諸国共同体CPLP)に加盟している。

宗教は、キリスト教徒が国民の99.1%を占めている。大半はローマ・カトリックに属し、それ以外はプロテスタント諸派に属している。その他構成比は、イスラム教が0.7%、その他ヒンドゥー教、仏教、アニミズムなどとなっている。

地理・気候

東ティモール地図 東ティモールは、インドネシア東部に位置するティモール島の東部にあり、国土は日本の岩手県ほどの大きさ。全土の約6割は山岳地帯となっている。最高峰は2,963mのラメラウ山(タタマイラウ山)。

高温多湿の熱帯性気候であるが、乾季と雨季の区別がある。 動植物の固有種が多数存在し、北部海岸にはサンゴ礁が発達している。

政治・外交・軍事

国家元首である大統領は国民選挙で選ばれ、任期は5年。行政府の長である首相は、議会での選出後、大統領が任命する。議会は一院制で、定数は、52以上65以下の範囲で法律によって定められる。現在は65議席。

外交は、隣国インドネシアをはじめとする東南アジア諸国、オーストラリアのほか、この地域に大きな影響力を持つ日本、中国、アメリカ合衆国との良好な関係を築き、国家としての存立と発展を目指す。2005年7月、ASEAN地域フォーラム(ARF)に加盟。2007年1月東南アジア友好協力条約(TAC)に署名。さらに早期のASEAN正式加盟を目指して取組みを続けている。
また、CPLP(ポルトガル語諸国共同体)に加盟し、ポルトガル語を公用語とする諸国との特別な友好関係を維持している。

独立直後は日本からの政府開発援助(ODA)が大きな役割を果たしたが、近年は中国が経済支援やインフラ整備で急速に存在感を増している。対中接近の背景には、経済を支えるティモール海の既存油田が数年内に枯渇するとの危機感がある。オーストラリアとはティモール海の海底油田資源権益を巡る紛争を抱えているものの、両国共同石油開発エリアを定め、収入の90%を東ティモールに、10%をオーストラリアに渡すこととなった。

東ティモールは2001年に国防軍を創設しており、陸軍(兵力1250人)と海軍(兵力80人)を保有する(出典:"Military Balance 2016")。志願制。

経済

ポルトガル領時代は、アンゴラやモザンビーク等の他の植民地同様、工業化が全く進まず、自給自足的な農業に依存した貧困状態だった。インドネシアによる統治にはインドネシア併合維持派の民兵が首都ディリを破壊したことから、経済は壊滅状態に陥った。しかし、2006年から経済成長が始まり、2011年には約14.7%というGDP成長率を記録した。ただしこのGDPの伸びの大半は石油収入によるものであり、IMFは東ティモール経済を「世界で最も石油収入に依存した経済」と評している。

石油以外の主要産業は農業で、米やトウモロコシ、コーヒー豆などが生産されているが、かつての独立闘争の影響が残り、米やトウモロコシの主食は自給自足できておらず、近隣諸国からの輸入に依存している。コーヒーはフェアトレード商品として人気がある。

東ティモール政府は、2030年までに持続可能な経済を構築することを最大目標としており、(1)資源収入(石油・ガス)に依存する経済構造から脱却し、経済の多角化を図ること、(2)政府主導型から持続可能かつ均衡ある成長を目指すこと、(3)国民一人当たりの所得が3,946~12,195ドルの高位中所得国へ移行することを目標にしている(現在は低位中所得国)。

まとめ

  • 面積:約14,900km2(首都4都県(東京、千葉、埼玉、神奈川の合計面積)とほぼ同じ大きさ)
  • 人口:約118.3万人(2015年、出典:東ティモール財務省国政調査)
  • 首都:ディリ
  • 民族:テトゥン族等大半がメラネシア系。その他マレー系、中華系等、ポルトガル系を主体とする欧州人及びその混血等。
  • 言語:国語は、テトゥン語及びポルトガル語。実用語に、インドネシア語及び英語。その他多数の部族語が使用されている。
  • 宗教:キリスト教99.1%(大半がカトリック)、イスラム教0.79%
  • 政体:共和制
  • 元首:フランシスコ・グテレス・ル・オロ大統領(任期5年:2017年5月20日~)
  • 主要産業:農業が主要な産業(多くは零細農業。コメ、とうもろこし、イモ類、ココナッツ等を栽培)。輸出用作物としては特にコーヒーの栽培に力を注いでいる。石油・天然ガス(ティモール・ギャップ)の開発が貴重な国家財源として進められている。
  • 主要輸出品目:コーヒー(輸出先:(1)ドイツ、(2)米国、(3)ポルトガル、(4)日本、(5)豪州)
  • (注)天然ガスはパイプラインを通じオーストラリアから輸出されているため、統計上は計上されていない。
  • 主要輸入品目:鉱物性燃料、自動車及び部品、電気機器、穀物、機械類
  • 主要貿易相手国(輸出):(1)アメリカ、(2)ドイツ、(3)ベルギー、(4)オーストラリア、(5)日本
  • 主要貿易相手国(輸入):(1)インドネシア、(2)中国、(3)香港、(4)シンガポール、(5)ベトナム (日本:12位)
  • (2016年、出典:東ティモール財務省)
参考資料:
Wikipedia 東ティモール
外務省HP東ティモール
JICA 各国における取り組み 東ティモール
地図出典:
インドネシア 東ティモール問題
写真出典:
Timor-Leste women by Department of Foreign Affairs and Trade
Timor-Leste Coastline by Graham Crumb

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