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カリダス 第4話
<家族って良いね>

自宅では叔父、叔母が待ってくれていた。二人とも昼は仕事だったが、夕方には仕事から帰って来て、カリダスが外出している間に晩御飯を作って待ってくれていた。ネパールから来たばかりのカリダスとご飯を食べながら、話したいこともたくさんあっただろう。

カリダスも日本で、叔父・叔母と生活することができて、心の底から喜んでいた。自宅に帰って来て、しばらくしたら叔母に「ご飯できたよ」と呼ばれ、3人で晩御飯を食べることにする。叔母がダイニングテーブルに次々とネパールの家庭料理を並べてくる。その光景を見たカリダスは一瞬、自分は本当に日本にいるのだろうかと考えてしまう。

異国の地で、ネパール料理、しかもネパールの家庭料理を食べられるなんて。。幸せと思いながら、叔母が作ってくれた料理を口にする。やはりうまかった。
ネパールで食べていた料理をそのまま日本に運んで来たような感じだった。

やはり子供の時から食べている味は一番かもしれないね。。

3人で晩御飯を食べているところだったが、叔父との会話が始まる。

叔父:どう?もう慣れた?学校慣れたかね?
カリダス:はい、学校にはいろいろな国の人が居て、先生も優しくて、とっても楽しい。もう慣れた。
叔父:そうだよなぁ、俺が日本に来たばっかりの時と一緒なのかね。楽しいよなぁ。いいなぁ(笑)。
カリダス:うん(笑)。
叔父:まぁ、勉強はもちろんだけど。これからアルバイトもしていかないとね。自分の生活費ぐらいは稼がないとね。
カリダス:そうね。
叔父:明日、叔母が帰ってきたら、駅周辺を歩いて、アルバイト募集と書いているところを見つけて来てね。叔母にはもう伝えているよ。それから面接の電話をすれば良いし。
カリダス:はい。わかった。
叔母:カリダス、じゃ、明日一緒にいこうね。とりあえず、今は晩御飯に集中しましょう。ご飯を食べているところは、話はすくなく、ご飯に集中しよう。
叔父:はい。ごめん、ごめん(笑)。
カリダス:はい(笑)。

こんなような会話が延々と続くからだろう、日本に来たばかりなのに、まったくアウェイ感はなかった。人生は山あり、谷ありというが、これからどこかで、なにかがあるかしれないが、甘えられるところは甘えたいという。

そして今日一日が終わる。

翌日朝9時から学校だったため、朝早く起きて、学校へ向かう。朝ごはんを作る時間がなかったため、急いでコンビニでおにぎり(カレー味)、ミルクティを買い、教室で朝ごはんを食べる。

8時50分ぐらいに授業が始まる。

カリダスのクラスは約20人のクラスだった。中国人留学生は約5人、スリランカ人留学生は約4人、ネパール人留学生は2人、韓国人留学生は2人、ベトナム人留学生は3人、バングラデシュ人留学生は約4人居た。

本当に多国籍クラスだった。

そして、中国人や韓国の留学生は漢字圏から来たからでしょうね。最初から漢字も読めていた。カリダスはそんな皆さんと同じレベルになりたいと目標を立てる

でも焦ることはだけは良くないと思っていた。子供の時に叔父に言われたことを思い出す、「止まりさえしなければ、どんなにゆっくりでも進めばよい」。いきなり中国人留学生のように漢字が読めたり、書けたりはできないが、練習だけは継続的にやっていく、そうすれば、きっとうまくなるだろうと思うのだった。

(続く)

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