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北マケドニア基本情報

民族・言語・宗教

人口は約200万で、約60%をスラブ系マケドニア人が占める。その他、特にコソボ紛争の際、大量流入したアルバニア人が23%を占め、現在でもそのアルバニア人の力は強く不安定要素となっている。その他トルコ人、セルビア人、ロマ人(ジプシー)、ワラキア人等の少数民族(それぞれ2%前後)がいる。首都スコピエの人口は約50万人。

マケドニア語が公用語。自治体によってはアルバニア語、トルコ語、ロマ語、ルーマニア語、セルビア語がマケドニア語とともに公用語に指定されている。外国語では、英語、ドイツ語、イタリア語、ギリシャ語などが通じるようである。

宗教構成は、マケドニア正教が約67%、ムスリム30%、その他3%となっている。マケドニアはヨーロッパの中で5番目にイスラム教徒が多い国である(1位:トルコ、2位:コソボ、3位:アルバニア、4位:ボスニア・ヘルツェゴビナ)。ムスリムのほとんどがアルバニア人、トルコ人、ロマ人で、マケドニア人はごく少数である。

地理・気候

マケドニアと周辺国の地図 マケドニアはバルカン半島の西部に位置し、周囲をブルガリア、アルバニア、セルビア、コソボ、ギリシャで囲まれる内陸国である。山がちで、谷や湖水等により観光資源が豊富。

内陸部大陸性気候で夏は暑く乾燥し、冬は寒冷で湿度があり雪も降る。山岳地帯では、夏はさわやかであるが、冬は寒さが厳しく多雪。海岸部は地中海性気候で、夏は暑く乾燥し、冬は穏やかでほとんど雪は降らない。

政治・外交・軍事

議会は一院制(定員123議席、任期4年)。国家元首は大統領で任期5年。

1991年旧ユーゴからの独立以来、二大政党(VMRO-DPMNE党,社会民主同盟)のいずれかが、小政党(アルバニア系等)との連立政権を築いてきた。2001年の国内のマケドニア系勢力とアルバニア系勢力との衝突後、民族融和に関するオフリド枠組み合意に基づき、多民族国家として平和裏の国家再建を継続していると評価されている一方、汚職対策・司法改革の遅れ、国内政治対話の停滞、メディアの自由の制限に引き続き取り組む必要があるとも指摘されている。

1991年の独立時に憲法で制定した国名は「マケドニア共和国」。これに対しギリシャが、「マケドニア」はギリシャ古来の由緒ある名であること、同名称の使用はギリシャ北部のマケドニア地方に対する領土要求の野心を示すものとして、その使用に反対していた。その後2018年6月にギリシャとの間で国名を「北マケドニア共和国」とする合意(プレスパ合意)が結ばれ、2019年1月に北マケドニア議会で憲法改正案が承認された。同月ギリシャ議会においてプレスパ合意が承認されたことにより、国名問題は「北マケドニア共和国」への変更で決着した。同年2月12日、北マケドニア政府は国連に改名を通知し受理され、公式に「北マケドニア共和国」の名称の使用を開始した。目下の主要な外交目標は,EU及びNATOへの加盟。

経済

マケドニアの伝統的産業は農業(特に、たばこ、野菜、果物、ワイン、ジュース、食肉等)で、旧ユーゴ時代は経済的に遅れた地域であった一方、同時代、鉱業(クロム、銅、亜鉛、鉄)、鉄鋼、非鉄工業(銅線、ケーブル)、軽工業(繊維製品、被服)、組み立て産業(自動車部品等)等の分野で工業化が進められた。

主体である農牧業では、小麦、大麦、トウモロコシ、ブドウが栽培され、ワイン、チーズが製造されている。石炭、クロム、スズなどの鉱産があり、鉄鋼、繊維などの工業もある。ユーゴ内戦中は新ユーゴへの経済制裁がおこなわれていたため、唯一の市場であるセルビアへ農産物を輸出することができず、大きな痛手を受けた。またコソボ紛争でも難民が流入し財政を圧迫した。内陸国で輸送手段が乏しいことも、産業の発展を阻害している。

近年、税制優遇措置、民営化及び事業環境の改善を通して国内産業の活性化や海外直接投資(FDI)の誘致にも取り組んでいる。欧州債務危機により輸出及びFDIが減少し打撃は受けたものの、財政緊縮や世銀の融資等により乗り切り、経済全体は回復傾向にある。ただ、個人消費の冷え込み及び輸出の停滞が引き続き経済成長の障壁となることが予想されると共に、30%を超える失業率に対応する雇用創出も喫緊の課題となっている。

まとめ

  • 面積:25,713km2(九州の約3分の2)
  • 人口:208万人(2015年世銀データ)
  • 首都:スコピエ
  • 言語:マケドニア語,アルバニア語
  • 宗教:キリスト教(マケドニア正教)7割,イスラム教3割
  • 政体:共和制
  • 主要産業:農業(たばこ,ワイン,とうもろこし,米),繊維,鉱業(鉄等)
  • 主要輸出品目:加工品,化学製品,燃料・潤滑油
  • 主要輸入品目:加工品,燃料・潤滑油,一般機械・輸送機器
  • 主要貿易相手国(輸出):ドイツ(44.3%),ブルガリア(6%),セルビア(4.5%),コソボ(4.1%),イタリア(4%)
  • 主要貿易相手国(輸入):ドイツ(12.6%),英国(9.6%),ギリシャ(7.8%),セルビア(7.7%),中国(6.1%)
参考資料:
外務省HP北マケドニア
Wikipedia Republic of North Macedonia
バルカン半島旅行ガイド
旅人の旅行記 東欧の迷い方 マケドニアについて
クラブツーリズム 海外旅行情報 マケドニア
世界地図を作ろう マケドニア
地図出典:
旅のとも、Zentech マケドニアと周辺国の地図
写真:
Shaving the Groom by Marjan Lazarevski
Ohrid by By Inge

  • 焼津の俄か百姓 より:

    アレクサンドロス大王を生んだ国なのだと思います。だから、マケドニアなんですよね。あれから2,000年以上経過していると思うと、考え深いですね。

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