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カザフスタン基本情報

民族・言語・宗教

民族構成は、カザフ人が60%以上、ロシア人が20%以上を占める。以前はカザフ人よりロシア人の方が多かったが、独立以降ロシア人が転出してカザフ人の割合が逆転。また近年、カザフスタン政府が在外カザフ人の帰還を進めている関係で増加している。

憲法ではカザフ語が国家語、カザフ語とロシア語が公用語と定められている。カザフ語は国語とされているものの、カザフスタンにおいてカザフ語を話すことができるのは全人口の64.4%に過ぎない。一方、ロシア語はソ連時代から95%の住民が使用しており、特に都市部においてはロシア語を母語とし、カザフ語を全く話せないカザフ人も多いなどカザフ語よりもはるかに広く使われているのが実情である。

2009年の調査では、イスラム教が70.2%、キリスト教が26.2%、無宗教が2.8%となっている。

地理・気候

カザフスタンと周辺国の地図 カザフスタン共和国は、アルゼンチンに次いで世界第9番目、日本の約7倍の広大な国土面積を有すると同時に、世界最大の内陸国でもある。地形は大きく3つに分類されており、中国国境やアルタイ山脈を含むカザフ高原、中部のカザフステップ、西部のカスピ海沿岸低地である。国土の約10%は、山岳地である。

年間の気候は、北部はシベリアの、南部は中央アジアの気候に影響されるため、南北の気温の幅は広く、中・北部における冬季の気温はマイナス40度まで低下し、夏季はプラス40度まで上昇する。年間降水量は、南部のキジオルダの129mm からアルマティの616mm と幅があり、山岳地帯では標高とともに700mm から1500mm へと増加する。

政治・外交・軍事

国家元首は大統領。直接選挙により選出され任期5年。大統領は政府を組閣し、閣僚・最高裁判所長・検事総長・国立銀行総裁を任免し、国民投票を実施、非常事態を導入する権限を有する。建国以来、ヌル・オタン(輝く祖国党)が単独過半数を占めており、事実上の一党独裁体制である。

下院(マジリス)と上院(セナト)の二院制。下院は定数107でうち98議席が比例代表制による直接選挙で選出され、9議席はカザフスタン民族会議により選出される(カザフスタン民族会議とは大統領諮問機関であり国内にある民族団体おおよそ全部を包括)。任期5年。
上院は定数47議席、任期6年。各州、旧首都、首都の地方議会から2名ずつ選出され、15名は大統領が個人的に任命する。

外交ではロシアとの良好な関係維持を重視し、ロシアを中心とするCIS関連の国際機関(ユーラシア経済同盟、集団安全保障条約機構など)に幅広く参加している。平行して中国との関係も重視し上海協力機構(SCO)に加盟。米国、EU、日本とも良好な関係を維持している。

総兵力39,000人の軍を有する。徴兵制度の兵役は18歳からの2年間とされている。ロシア軍は国内数か所(バイコヌール、サルイシャガン、エンバ)に少数が駐留している(カザフスタンに配備されていた戦略核兵器はロシアに移送済み)。

経済

通貨はテンゲである。2014年2月、カザフスタン国立銀行(中央銀行)は、テンゲの約20%切り下げを実施した。2015年8月20日、管理変動相場制を撤廃して変動相場制を導入した。

カザフスタンは石油、天然ガスなどのエネルギー資源、鉱物資源に恵まれた資源大国である。石油埋蔵量は300億バレル(世界の1.8%)、天然ガス埋蔵量1.5兆立方メートル(世界の0.8%)(2014年BP統計)。また、レアメタルを含め非鉄金属も多種豊富である(ウランの埋蔵量は世界2位、クロムは世界1位、亜鉛は世界6位(2014年:米日地質調査所))。

カザフスタンの農業がカザフスタンの経済において占める割合は低く、農業の国内総生産 (GDP) に占める割合は10%に満たない。最も収穫高の多い穀物は小麦である。カザフスタンは世界有数の小麦生産国であり、カザフスタンの小麦はアフガニスタン、イラン、中国、ロシアを始めとする世界各国に輸出されている。

エネルギー・鉱物・資源開発への外資導入を重視するとともに、イノベーションの推進により持続的発展に向けた産業の多様化を図っているが、産業構造は依然として石油、ガスをはじめとする資源エネルギー分野に大きく偏っている。

まとめ

  • 面積:2,724,900km2(日本の7倍、世界第9位。旧ソ連ではロシアに次ぐ。)
  • 人口:1,820万人(2017年:国連人口基金)
  • 首都:ヌルスルタン(Nur-Sultan:旧アスタナ。1997年12月10日、アルマティよりアクモラに遷都。翌年,カザフ語で「首都」を意味するアスタナに改称。2019年3月23日,トカエフ大統領が首都の名称をアスタナからヌルスルタンに変更する大統領令に署名した。日本はJICAによるアスタナ(当時)の建設計画作成支援を実施し、基本設計は故黒川紀章氏が担当した。)
  • 民族:カザフ系(67.47%)、ロシア系(19.76%)、ウズベク系(3.18%)、ウクライナ系(1.53%)、ウイグル系(1.46%)、タタール系(1.11%)、ドイツ系(0.99%)、その他(4.5%)
  • (2018年1月1日現在:カザフスタン国民経済省統計委員会)
  • 言語:ロシア語(公用語)、カザフ語(国語)
  • 宗教:イスラム教(70.2%)、ロシア正教(26.3%)、仏教(0.1%)、無宗教(2.8%)、無回答(0.5%)(2009年:カザフスタン国勢調査)
  • 政体:共和制
  • 元首:カシム=ジョマルト・トカエフ大統領
  • 主要産業:鉱業、農業、冶金・金属加工
  • 主要輸出品目:石油、石油製品、金属・金属製品、化学製品、食料品
  • 主要輸入品目:機械設備、化学製品、食料品、金属・金属製品、鉱物製品、木材・紙製品、繊維製品(2017年:カザフスタン国民経済省統計委員会)
  • 主要貿易相手国(輸出):イタリア、中国、オランダ、ロシア、スイス
  • 主要貿易相手国(輸入):ロシア、中国、ドイツ、米国、イタリア
参考資料:
Wikipedia カザフスタン
外務省HPカザフスタン
環境省HP 「21世紀初頭における環境・開発統合支援戦略策定(国別調査) カザフスタン共和国」
Wikipedia カザフスタンの農業
地図出典:
旅行のとも、ZenTech カザフスタンと周辺国の地図
写真出典:
party 11 by alisa
SAM_0177 by Alex J. Butler

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