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カナダ基本情報

<民族・言語・宗教>
人口3540万人(人口密度は3.55人/km2)。2011年国勢調査ではヨーロッパ系白人が76.7%、黒人2.9%、先住民4.3%、中南米系やアジア系などを含むその他が16.2%となっている。先住民族はアメリカインディアン系をまとめた呼称であるファースト・ネーションズ (First Nations) (2.6%) 、インディアンとヨーロッパ白人の混血のメティ(1.4%)、エスキモー民族のイヌイットの3つに分類されている。もともと黒人奴隷がほとんど存在しなかったために黒人の割合が非常に少なく、イギリス系、フランス系が人口の半数を占めている。アメリカと同じくアイルランド系とドイツ系とイタリア系も多いが、カナダはウクライナ系が非常に多いのが特徴で、ウクライナ・ロシア以外では最大規模である。歴史的な経緯から白人が多かったカナダであるが、近年の移民は大きくアジア出身に偏っており、大都市を中心にアジア系の割合が急増している。

英語・仏語が公用語である。連邦裁判所、連邦議会(カナダ国会)や連邦政府機関のすべてで英仏二カ国語が平等に扱われている。国民の約58%が英語、約22%がフランス語を第一言語としている。約98%が英語かフランス語のどちらかを話す(57.8%が英語のみを、13.3%がフランス語のみを、17.7%が両言語を話すことができる)が、公用語以外の言語を使う住民も600万人ほどおり、200語以上の言語が国勢調査で母語として回答されている。

2001年の国勢調査によると、国民の77%がキリスト教徒。カトリック:43.2%、プロテスタント:29.2%、正教会・東方諸教会:1.6%となっている(その他キリスト教:4.3%)。その他宗教はムスリムが2%、ユダヤ教徒が1.1%、仏教徒が1.0%、ヒンドゥー教徒が1.0%、シーク教徒が0.9%。無宗教は16.5%である。

<地理・気候>
ロシアに次いで世界で2番目に広大な国土を持つ国であり、北アメリカ大陸の約41%を占めている。カナダの領土の54%は森林で占められているとともに、国土の多くは北極圏内にあるため人の住める地域は面積に比して少ない。カナダ人の80%はアメリカ合衆国との国境から200km以内に住んでおり、人口の約40%がオンタリオ州に集中している。人口が最も多い地域は五大湖、セントローレンス川周辺である。

太平洋側の西海岸沿岸部を除くと、ほぼ全域が亜寒帯、寒帯に属し非常に寒冷な気候である。
バンクーバーやビクトリアなどが位置する西海岸の沿岸部は暖流の影響で温帯の西岸海洋性気候に属し、夏は涼しく乾燥していて過ごしやすく晴れる日が多い。アルバータ州からサスカチュワン州、マニトバ州にかけては、亜寒帯湿潤気候、湿潤大陸性気候に加えてステップ気候も広がり降水量が少なく乾燥している。トロントやモントリオールなどの大都市が位置し、人口が集中するセントローレンス川沿いは亜寒帯湿潤気候に属し、夏は比較的湿度が高く蒸し暑くなる。
カナダ国内における最高気温極値はサスカチュワン州のMidaleとYellow Grassで観測された45 °C、最低気温極値はユーコン準州のSnagで観測された−63 °Cであり、これは、アメリカ大陸で最も低い気温である。

<政治・外交・軍事>
首都はオタワ(オンタリオ州)。先住民族が居住する中、外からやってきた英仏両国の植民地連合体として始まった。その後イギリスからの独立プロセスが1867年から始まり、様々な手続きと立法を経て1982年、主権国家となる。
政体は立憲君主制。公式にはイギリス国王が国家元首(但しカナダではあくまでカナダ国王の扱い)であるが、形式的にはカナダ総督がカナダ国王の代理を務め、また実質的な首長は、総選挙により選出される連邦政府の首相である。連邦政府の運営は議会制民主主義で行われている。世界の先進8ヶ国(G8)の一国。1992年からは北米自由貿易協定(NAFTA)に加盟し、メキシコを含む北米3国間での交流も促進された。

カナダ軍の最高司令官はカナダ国王(または女王)に任命されたカナダ総督であるが、実質的な指揮権を持つのは首相である。政府の下には行政機関である国防省が置かれており、具体的な指揮は首相の下で国防省の長である国防大臣が行い、国防大臣の下には文官と武官が混在する形で国防参謀総長と国防次官が同列に置かれており、カナダ軍の部隊は国防参謀総長の下に置かれている。世界的にも珍しく一軍制を採用しているが、事実上の軍種として、地上軍、海上軍、航空軍が、作戦上の統合部隊として、国内軍、海外派遣軍、特殊作戦軍が設置されている。
また、カナダは国連主義の外交政策と関連して平和維持活動を重視しており、一定の枠組みを作って積極的に戦力を派遣している。

<経済>
ブリティッシュコロンビア州では林業が、アルバータ州では石油工業が、オンタリオ州北部は鉱業がそれぞれ盛んである。ただしGDPの76%はサービス業が占めている。サービス業の中では金融や不動産、ハイテク産業や国内外向けの娯楽産業などのビジネス部門が小売業に次ぐ規模となっており、トロント、モントリオール、バンクーバーなどの大都市に集中し近年成長しつつある分野である。
カナダは数少ないエネルギー資源純輸出国の一つである。アルバータ州及び北部の準州にある大規模な石油及び天然ガス資源が最も重要な資源となっている。また水が豊富なカナダでは水力発電がケベック州、ブリティッシュコロンビア州、オンタリオ州、マニトバ州などを中心に盛んである。国土が広いカナダでは天然資源も多く埋蔵されている。オンタリオ州北部などカナダの北部には鉱山が多く存在し、鉱業が盛んである。
20世紀頃から農業人口は急激に減少したが、面積の広いカナダは当然耕地も多く、世界でもよく農作物を生産する国の一つとなっている。漁業は大西洋に面しているニューファンドランド・ラブラドール州やノバスコシア州などを中心に古くから盛んに行われてきたが、乱獲によりここ数十年でタラ漁やサケ漁を中心に大幅に縮小している。
貿易はカナダの経済に大きな影響を与えている。最大の貿易相手国はアメリカで、輸出の5分の4以上、輸入の約3分の2を占める。アメリカへの輸出品で最も多いのは、自動車と関連部品である。

【まとめ】

  • 面積:998.5万km2(世界第2位、日本の約27倍)
  • 人口:約3,540万人(2014年7月加統計庁推計)
  • 首都:オタワ
  • 言語:英語、仏語が公用語
  • 宗教:ローマン・カトリック
  • 政体:立憲君主制(イギリス型議院内閣制と連邦主義に立脚)
  • 元首:エリザベス二世女王(但し、総督が女王の代行を務める。総督 デービッド・ジョンストン)
  • 首相:スティーブン・ハーパー首相(保守党)
  • 国防予算等:187億カナダドル(2013年度予算)
  • 主要産業:金融・保険・不動産などのサービス業、製造業、建設業、鉱業(カナダ統計局)
  • 主要輸出品目:原油、乗用車、金(未加工品)、天然ガス、瀝青炭、塩化カリウム、針葉樹
  • 主要輸入品目:原油、乗用車、金(未加工品)、輸送車両、医薬品
  • 主要貿易相手国(輸出):米国、中国、英国、日本
  • 主要貿易相手国(輸入):米国、中国、メキシコ、ドイツ、日本

参考資料:

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