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アルバニア基本情報

アルバニアは第二次大戦後、ソ連と断交、共産主義国となり中国と接近。しかし1970年第後半には中国とも国交断絶。1978年から完全な鎖国状態となった。 1991年に共和制へ移行し開放路線を徐々に進めているが、20年近い鎖国時代があったためいまだに知られてないことが多く国際舞台でのさらなる活躍が期待される国の一つである。

<民族・言語・宗教>
民族はアルバニア人が大部分であるが、南部にはギリシャ人などもいる他、国境付近にはマケドニア人やモンテネグロ人もいる。

公用語はアルバニア語。観光業、旅行業に従事する人の多くは英語を話す。一般の人では、イタリア語、ギリシア語を話す人が多い。

オスマン帝国支配時にキリスト教からイスラム教へ改宗するものが多かったため、今でもアルバニア人の半数以上がムスリムであるといわれている。
しかし一方、1967年アルバニア共産主義時代に「無神国家」を宣言。また1970年代の鎖国体制、1990年に信教の自由が認められたことなどもあり、信仰する宗教が特に無いという人々も少なくないようである。

<地理・気候>
アルバニアは、東ヨーロッパのバルカン半島南西部に位置する。西はアドリア海に面し、北にはモンテネグロ、東にはマケドニア共和国とコソボ、南にはギリシャと国境を接する。

海岸部の平野以外は起伏があって山がちな地形が多く、国土の約70%が海抜高度300m以上。また国土の約40%が森林で、ブナや松などが多い。 モンテネグロ・コソボ・マケドニア共和国との国境地帯にはディナラ・アルプス山系の2000m級の山々が列を成しており、 一番高い山はディバル地区にあるコラビ山で、2,753メートルに達する。

海岸付近の低地は典型的な地中海性気候で降雪は珍しいが、内陸部の高地は大陸性気候で冬には大量の降雪がある。年間降水量は1,000mmを超える。 夏の最高気温は30℃以上となるが、冬の最低気温は海岸部で0℃、内陸部で-10℃以下となる。

<政治・外交・軍事>
国家元首は大統領で、任期は5年、議会の60%以上の賛成を獲得することによる間接選挙によって選出される。 首相は大統領により任命される。アルバニア議会は、一院制で任期4年、全140議席。うち、100議席は小選挙区制、40議席は比例代表制によって選出。

アルバニア労働党(1991年に社会党に党名変更)による一党独裁の下に共産主義鎖国体制をとってきたが、 1990年より東欧改革の影響を受け、対外開放、複数政党制の導入等、民主化を始めた。1992年3月の総選挙で民主党を中心とする民主政権が成立。

長年、半鎖国的な社会主義体制をとってきたアルバニアは、東西冷戦の終結、東欧諸国の民主化、国内の経済情勢の悪化等の背景から、対外開放政策に転じ、 1990年以降、先進諸国・国際機関との関係強化及び安全保障の確保を基本的な外交方針としている。

日本との国交は1981年樹立。2009年に念願のNATOに加盟、2014年6月にはEU加盟候補国となる。米国に対しては、政府、国民とも強い親近感を有している。 またコソボ独立承認国を増やすべく働きかけを積極的に継続し、コソボの国造りを全面的に支援している。

<経済>
70年代後半から80年代の鎖国時代でアルバニアは長年欧州最貧国として扱われてきた。1990年代に市場経済が導入された際、国内でねずみ講が蔓延。国民の半分がはまり、1997年のねずみ講破綻時には国民3分の1が全財産を失ったとされている。 それまで社会主義および鎖国状態だったため、国民への市場経済リテラシー教育が行われずねずみ講の危険性に気付かなかったことが蔓延した理由だと言われている。

武器購入・麻薬などと関連していたねずみ講はボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の終結とともに破綻。その後アルバニア経済は回復を続けており2000年にはWTOに加盟。 しかし歳出が歳入を上回る状況も相変わらず続いている。

伝統的に農業従事者の比率が高いが、1940年で85%、1989年55%、2004年時点で21%と下がってきている。主な生産品目は主食の小麦。 その他トウモロコシ、地中海性気候を生かしたオリーブやブドウも生産しており、オリーブオイルやワインなどの加工品も産出している。

鉱物資源はあるが、長年の鎖国政策やインフラが脆弱なため生産は低調。 水力発電がアルバニアの総発電量98.8%を占めているが、施設の老朽化で電力不足となっているなどインフラが乏しいことが、外資誘致および鉱業生産の拡大を阻んでいる大きな理由の一つである。

輸出工業については、衣類とくに布・皮からの加工・縫製を中心とした軽工業が主体。輸出の74.9%がイタリア向けとなっているように、イタリア繊維産業と深く結びついた構造となっている。

【まとめ】

  • 面積:約28,700㎢(四国の約1.5倍)
  • 人口:約289万人(2014年、アルバニア統計局)
  • 首都:ティラナ
  • 民族:アルバニア人
  • 言語:アルバニア語
  • 宗教:イスラム57%、ローマカトリック10%、正教7%
  • 政体:共和制
  • 元首:ブヤール・ニシャニ(Bujar NISHANI)大統領(2012年7月就任、任期5年)
  • 国防予算:2億2,600万ドル(2012年)
  • 主要産業:農業、製造業、建設業(EIU2014年)
  • 主要輸出品目:繊維・靴、鉱物・燃料・電力、建設資材
  • 主要輸入品目:機械類、食料品・飲料品・タバコ、鉱物・燃料・電力
  • 主要貿易相手国(輸出):イタリア、コソボ、スペイン、トルコ
  • 主要貿易相手国(輸入):イタリア、ギリシャ、中国、ドイツ

参考資料:

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