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南アフリカ基本情報

民族・言語・宗教

民族構成は、黒人(79%)、白人(9.6%)、カラード(混血)(8.9%)、アジア系(2.5%)。黒人はズールー人、コサ人、ツワナ人、ソト人(南ソト人)、ペディ人(北ソト人)、スワジ人、ヴェンダ人、ンデベレ人、ツォンガ人のバントゥー系民族と非常に多様。白人の大半はイギリス系とアフリカーナーであるが、その他ポルトガル系やユダヤ系、フランス系、ドイツ系など。白人は1940年頃には全人口の約20%を占めていたとされるが、近年は9%台にまで低下している。

公用語は英語、アフリカーンス語に9言語のバントゥー諸語が加わった11言語。1994年の新憲法でアフリカ諸語の保護育成のため多言語主義が掲げられたが、実質的に公用語として機能しているのは英語のみで、アフリカーンス語を含めたその他10言語の公用語の地位は形骸化している。

宗教は、人口の36.6%がプロテスタント、7.1%がカトリック、36%がその他のキリスト教、1.5%がムスリム、2.3%がその他の宗教、1.4%が不明、15.1%が無宗教という構成(2001年センサス)。その他の宗教としてインド系南アフリカ人のヒンドゥー教や、ユダヤ系南アフリカ人のユダヤ教などが存在する。

地理・気候

南アフリカ地図 アフリカ大陸の最南端に位置し、南西部は南大西洋に、南部から東部にかけてはインド洋に面するため2,500kmという長い海岸線を有する。海岸平野は狭く、国土の全体が高地となっている。内陸はカルーと呼ばれる広大な平坦地で、人口は少ない。北西部はナミブ砂漠の延長部で、東部にはドラケンスバーグ山脈が連なる。国の最高地点はレソトとの国境にあるマハディ山(標高3450m)である。

南アフリカの気候は、晴天の日が多く世界で最も日照時間が長いため空気が乾燥している。年間を通してみると、夏と冬の気温差が激しいのが特徴的。雨季は11月から3月。東と西で雨の降り方が大きく違う。東部は季節風の影響で夏に雨が降るが、南西の海岸はいわゆる地中海性気候で、移動性低気圧により冬に雨が多い。降雨量は東側から西側に行くにしたがって少なくなる。

政治・外交・軍事

国家元首は大統領で、国民議会の議決により選出。議会は二院制。いずれも任期5年の全国州評議会(90名、上院)国民議会(400名、下院)で構成される。副都制を採用しており、首都機能をプレトリア(行政府)、ケープタウン(立法府)、ブルームフォンテーン(司法府)に分散させているが、各国の大使館はプレトリアに置いていることから、国を代表する首都はプレトリアと認知されている。

1961年イギリス連邦から脱退し立憲君主制から共和制に移行し国名を南アフリカ共和国と制定。1994年アパルトヘイト廃止に伴いイギリス連邦と国連に復帰し、アフリカ統一機構(OAU)に加盟した。

冷戦中の南アフリカ共和国は人種主義に基づくアパルトヘイト体制維持を掲げたため、アフリカ諸国をはじめとする国際社会から孤立し、僅かにイスラエルや中華民国(台湾)などが友好国として存在するのみだった。しかし、現在はアフリカ諸国で唯一のG20メンバ-国ということもあり、新興経済国の一員として、AU(アフリカ連合)強化やSADC(南部アフリカ開発共同体)による政治・経済統合の重視等、アフリカ諸国との開発パートナーシップの促進に重点を置く他、2011年からはBRICS首脳会合に参加し,新興国外交を推進している。

アパルトヘイト体制崩壊後に軍備が再編成され、陸軍・海軍・空軍および南アフリカ総合医療部隊で構成される南アフリカ国防軍を有する。

経済

南アフリカは、サブサハラ・アフリカの全GDPの20.2%(2014年:世銀)を占め、サブサハラ・アフリカ諸国の中で第2位の経済大国として、アフリカ経済を牽引している。最大の貿易相手国は中国。

農業は畜業、とうもろこし、柑橘類、その他の果物、小麦、砂糖、羊毛、皮革類。ワイン作りはケープタウン付近で特に盛んで輸出量も多い。鉱業は金、ダイヤモンド、プラチナ、ウラン、鉄鉱石、石炭、銅、クロム、マンガン、石綿。豊富な鉱物資源を誇り、特に金は世界の産出量の半分を占める。工業は食品、製鉄、化学、繊維、自動車等。

GDP産業別内訳(2015年)は、第一次産業が10%、第二次産業が21%、第三次産業が69%と、先進国同様、南ア経済は第三次産業の割合が高くなっているが、貿易では依然、鉱物資源輸出への依存度が高い。

19世紀後半にダイヤモンド、金が発見されて以降、鉱業主導で成長し、これによって蓄積された資本を原資として製造業及び金融業が発展してきた。しかし、近年では鉱業の比率が1981年の対GDP比23.7%をピークに減少を続け、2015年には対GDP比7.7%まで縮小する一方で、金融・保険の対GDP比の割合は、1991年の14.6%から2015年の21%へと大きく拡大するなど、産業構造が変化してきている。

まとめ

  • 面積:約1,220,000km2(日本の約3.2倍)
  • 人口:5,495万人(2015年世銀)
  • 首都:プレトリア
  • 民族: 黒人(79%)、白人(9.6%)、カラード(混血)(8.9%)、アジア系(2.5%)
  • 言語:英語、アフリカーンス語、バンツー諸語(ズールー語、ソト語ほか)の合計11が公用語
  • 宗教:キリスト教(人口の約80%)、ヒンズー教、イスラム教等
  • 政体:共和制
  • 元首:ジェイコブ・ゲドレイーシュレキサ・ズマ大統領(2009年5月就任、2014年5月に再任。任期5年)  
  • 主要産業:
  • (農)畜業、メイズ、サトウキビ、大豆、柑橘類、その他の野菜・果物類、ジャガイモ、小麦、羊毛、皮革類
  • (鉱)金、プラチナ、鉄鉱石、石炭、銅、クロム、マンガン、ニッケル、ダイヤモンド、バナジウム、チタン
  • (工)食品、製鉄、化学、繊維、自動車
  • 主要輸出品目:金、希金属、鉱物製品、化学製品、食料品類、繊維製品機械製品、自動車類
  • 主要輸入品目:食料品類、鉱物製品、機械製品、自動車類(部品含む)、化学製品、繊維製品
  • 主要貿易相手国(輸出):中国、米国、日本、ドイツ、インド(2014年:JETRO)
  • 主要貿易相手国(輸入):中国、ドイツ、サウジアラビア、米国、インド、日本(2014年:JETRO)
  • 主要援助国(2013年): (1)米国 (2)フランス(3)ドイツ (4)英国 (5)ノルウェー
参考資料:
Wikipedia 南アフリカ
外務省HP南アフリカ
Latte HP 南アフリカの天気・気候・服装
地図出典:
阪急交通社HP 南部アフリカ観光ガイド 南アフリカ
写真出典:
Fans with Vuvuzelas by Andrew Moore
Cape Town – South Africa by Renate Dodell

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