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ラトビア基本情報

民族・言語・宗教

2011年現在の民族別住民構成は、ラトビア人が62.1%、ロシア人が26.9%、ベラルーシ人が3.7%、ウクライナ人が2.3%、ポーランド人が 2.4%、リトアニア人が1.4%である。

世界銀行のデータによればラトビアの人口は1989年まで右肩上がりで増え続け、最高で267万人に達したが2015年には198万人まで減少している。これはEU加盟をきっかけに移動の自由を手に入れた若者を中心とする国民が、西ヨーロッパ諸国へ次々と移り住み人口流出が止まらないことが一因であるとされている。

また、ラトビアが1991年に独立した際、ソ連への併合(1940年)の時点でラトビア人だったものと、その直系子孫にのみ市民権と国籍を与えたため、かなりの数の「非国籍者」が存在する。彼らは選挙権をはじめとするさまざまな市民権の行使ができない場面があり、人道的観点からラトビアにおける最も重大な政治問題のひとつとして解決が望まれている。

ラトビア語が国語・公用語であるが、リガなどの都市部ではロシア語系住民(ロシア人、ベラルーシ人等)が多く、ロシア語の使用率も高い。ラトビア人の71%がロシア語を話すことができ、ロシア人の52%がラトビア語を話すことができる。

主な宗派はキリスト教だが、ルター派、ローマカトリック、東方正教会、およびバプテスト教会に細分化される。これらと共に有名な宗派であるユダヤ教、イスラム教、ヒンドゥー 教、モルモン教、仏教や、その他の宗教もラトビアでは信仰されています。

地理・気候

ラトビア地図 ラトビアはバルト海に位置する国で、面積は約6.5万平方キロメートル。日本の約6分の1で、九州及び四国の合計総面積よりやや大きい程度。北部でエストニア、南部でリトアニア、東部でロシア、南東部でベラルーシと国境を接している。沿岸地域は比較的平坦だが、東部の内陸部には小高い森林が広がり、湖が点在している。ラトビアは約12,000の川の拠点となっているが、その中で最も長いのが全長1,020キロにもおよぶダウガヴァ川である。

ラトビアでは地震、火山噴火、破壊的な竜巻、壊滅的な洪水、過酷な冬の寒さ、また厳しい暑さ、渇水もない。 ラトビアは温帯に位置し、天候は近接のバルト海の影響を受けるため、気候は温暖で湿度が高く、極端な温度変化はない。しかし、天気が安定せず変わりやすいといった面があるものの、ラトビアでは春、夏、秋、冬といったはっきりとした四季を感じることができる。

政治・外交・軍事

議会 (サエイマ Saeima) は、一院制で定員100議席、任期は4年である。国家元首である大統領の任期も4年。国会で選出される大統領は、名誉職的な側面もあるが、外交で一定の役割を果たしているほか、国会が可決した法案の差し戻しや国会解散の発議等の権限を持つ。

主な国内問題としては、国内に居住するロシア人への処遇問題がある。ソ連時代からラトビア領内に住む非ラトビア人に対しては、ラトビア国籍取得に際して軒並みラトビア語試験などを課すなど民族主義的な側面が多々あるため、最大のマイノリティであるロシア系市民やロシアが頻繁にこのことに関する改善を要求している。EU加盟委員会も加盟に際してこの問題の改善を促した。

最大の外交目標であったNATO及びEU加盟をそれぞれ2004年3月及び5月に実現。現政権は、EUにおける国益の増進(2005年6月に欧州憲法条約批准)、NATO及びEUを通じた安全保障の確保と米国との二国間関係強化、対外経済活動の促進、バルト海地域の協力推進等を優先課題としている。

隣国ロシアとは、独立回復以来、国境画定交渉を行っており、2007年3月、国境条約に両国の首相が署名。同年12月に、両国外相が批准書の交換を行い、条約が発効し、国境が画定した。

陸海空の三軍及び郷土防衛隊からなる国軍を有する。国軍以外の準軍事組織としては内務省の国境警備隊がある。再独立後の1992年より徴兵制をしいていたが、2007年1月1日より完全志願制に移行した。

経済

ソ連時代には重工業が盛んで、ソ連域内屈指の工業地域であった。当時ソ連内を走る電車の約9割がラトビアのリガ車両製作工場製であったともと言われていた。また、電機メーカーのVEFを始め多くの工場が立地していたが、独立回復後の市場経済化の流れの中で、工業拠点の多くが軒並み放棄され、現在も廃墟のまま残るなど、ソ連時代の産業はほとんど継承されなかった。その結果、現在では国際的に競争力のある基幹産業と呼べるものは見当たらず、木材加工や金属などの産業がラトビアの産業を支えている。

ソ連崩壊以降、経済の混乱によりインフラストラクチャーの整備や開発の遅れが目立っていたが、近年になり不動産・金融・製造業等の分野に対する外国(ドイツ、スウェーデン、英国、ロシア等)からの直接投資が活発になって、EU域内で最も高い成長率を記録するなど、リガを中心に経済成長が著しかった。しかし、実体経済に基づかないバブル的な経済事情と、ずさんな審査のもとに組まれた大量の不良融資やローンは、ラトビアを2008年の全世界的な恐慌のあおりを最も酷く受けた国の一つとする結果に至った。

主な投資先がリガやその周辺の都市部に集中するなど地域間の格差が拡大しており、ラトビア経済が抱える最も大きな課題のひとつとなっている。さらに、リガは旧市街を中心に観光業が活発化しており、外資系ホテルの参入や新規航空路線の拡充とともに観光客が増加しているものの、リガ以外では観光開発が十分でなく、観光業でも地方とリガの間の格差が広がりつつある。

2014年1月1日よりユーロが導入されている。

まとめ

  • 面積:約65,000km2(日本のおよそ6分の1)
  • 人口:214万人(2016年7月現在、ラトビア内務省)
  • 首都:リガ
  • 言語:ラトビア語
  • 宗教:プロテスタント(ルター派)、カトリック、ロシア正教
  • 政体:共和制
  • 元首:ライモンツ・ベーヨニス大統領(2015年7月8日就任、任期4年)
  • 主要産業:農業、化学、物流、木材加工
  • 主要輸出品目:通信機器、木材及び同加工品、石油・石油製品等
  • 主要輸入品目:石油・石油製品、通信機器、自動車、薬品、ガス等
  • 主要貿易相手国(輸出):リトアニア、エストニア、ロシア
  • 主要貿易相手国(輸入):リトアニア、ドイツ、ポーランド
参考資料:
Wikipedia ラトビア
外務省HPラトビア
地球の歩き方 ラトビアの基本情報
ラトビア政府観光局HP 気候・天候
DTACラトビア観光情報局 ラトビア基礎知識
地図出典:
日経ビジネスオンライン 知られざる欧州の姿 ラトビア:国際社会が問題視する“無国籍者”
写真出典:
The House of Blackheads, Riga, Latvia by Bryan Ledgard 
Looking Across Doma Laukums from the street café by Charlie

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