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ジブチ基本情報

民族・言語・宗教

民族構成は、ソマリ人系のイッサ人が60%、エチオピア系のアファル人が35%であり、フランス人、アラブ人、イタリア人やアファル人以外のエチオピアの民族など、その他が5%となっている。イッサ人とアファル人の対立から、1990年代に内戦が起こった。

公用語はフランス語とアラビア語。現地住民の間においては、ソマリ語とアファル語がそれぞれ広く使われている。

人口の94%がムスリム(イスラム教スンニ派)、6%がキリスト教となっている。

地理・気候

ジブチと周辺国の地図 ジブチ共和国は、面積2万3200平方キロメートルで、アフリカの角に位置している。北部はエリトリア、西部と南部はエチオピア、南東部はソマリア各国と国境を接している。紅海とアデン湾に臨み、沿岸の長さは370キロメートル。

国土は主に砂漠状の平野からなり、東部の国境近くに中位の高さのいくつかの山並みが広がっている。活火山が1つあり、季節河川からの流れは、海に向かうか、2つの塩湖へ注がれる。その内のひとつアッサル湖は、海面下153メートルに位置しアフリカ大陸最低標高地点となっている。また湖水は死海よりも多く塩を含んでおり、地球上で最も塩濃度が高いことがわかっている。

ジブチはアフリカの角に位置する交通の重要な分岐・合流点で、紅海経由で欧州とアジアを、その一方で、インド洋に至る湾岸諸国とアフリカを、それぞれ結んでいる。輸送量の多い海上交通路の1つに面していること、また、アデン湾における海賊との戦いという新たな要因も加わり、ジブチの戦略地政学的な重要性が強まっている。

ジブチはステップ気候で非常に暑くて乾燥している。2季しかなく、5月から10月は乾燥シーズン、11月から4月が比較的涼しいシーズンとなっている。気温は変化に富み、12月、1月、2月の間は非常に温かく(平均気温は23-29度)、一方、7月は猛暑(31-41度)に見舞われ、湿気が強く、不快感が増す。雨は沿岸部で通常11月から3月に、内陸部では4月から10月に降る。ジブチ市の年間平均降雨は130ミリメートル。

政治・外交・軍事

国家元首である大統領は、国民の直接選挙により選出され、かつては任期6年で3選が禁止されていたが、2010年に大統領の任期を5年に短縮する代わりに再選制限が撤廃。また同時に大統領定年制(75歳)も導入された。

首相と閣僚は大統領が任命する。議会は一院制で、定数65議席(イッサ人議員33議席、アファル人32議席)。議員は国民の直接選挙で選出され、任期は5年。1977年に仏から独立を達成するが、以降、ジブチ住民の大部分が属するイッサ族(ソマリア系)とアファル族(エチオピア系)の対立を背景とする紛争と、国民融和に向けての努力が繰り返されてきた。

外交面では、旧宗主国仏をはじめ、全ての国との友好協力関係維持に努力。近年アラブ連盟の一ヵ国として近隣のサウジアラビアを中心とするアラブ穏健派との関係が深い。

2001年9月の米国同時多発テロ事件以降は、従来から駐留する仏軍に加え、米軍基地が置かれ、独、西軍も駐留。また、日本をはじめソマリア沖海賊対処にあたる各国は、主にジブチを拠点としており、2011年6月にはジブチ国際空港近くに事実上初の自衛隊海外基地が開設された。この拠点は海賊対策のほか、ジブチ軍駐屯地に出向いての兵士への道路整備重機の操作指導などアフリカ諸国との軍事交流にも使われている。

経済

厳しい自然環境のため第一次産業の従事者は多いものの、農業は未発達で食料自給率は極めて低い。主な収入源は、ジブチ鉄道による収入、中継貿易、ジブチ港の港湾施設サービス、仏軍、米軍等の駐留による利益。ジブチ港はエチオピアの海上貿易のほとんどを担っている。

1991年よりソマリア等周辺諸国からの難民・避難民を受け入れ、うち1996年4月までにエチオピア難民約5万人が帰還したとされるが、依然として1万人以上のソマリア難民、エチオピア難民が存在し同国経済を圧迫。また、経済及び財政建て直しのための緊縮財政を余儀なくされている。

2001年11月、世銀・IMFの主導の下、貧困削減戦略文書暫定版(I-PRSP)が策定され、2004年5月、同文書の完全版(F-PRSP)が策定されている。現在、ジブチ政府は、これらの文書に基づく経済政策を実施している。

まとめ

  • 面積:約23,200km2(四国の約1.3倍)
  • 人口:89万人(2015年、世銀)
  • 首都:ジブチ(人口約57万人)
  • 民族:ソマリア系イッサ族(60%)、エチオピア系アファル族(35%)
  • 言語:アラビア語、仏語
  • 宗教:イスラム教(94%)
  • 政体:共和制
  • 元首:イスマイル・オマール・ゲレ大統領(Ismail Omar GUELLEH)
  • 主要産業:運輸(ジブチ鉄道、ジブチ港湾サービス)
  • 主要輸出品目:車両(再輸出品)、現地製造品
  • 主要輸入品目:食料、石油製品、カート、機械・電機器具
  • 主要貿易相手国(輸出):ソマリア、イエメン、アラブ首長国連邦、米国
  • 主要貿易相手国(輸入):中国、サウジアラビア、インドネシア、インド
  • 主要援助国(2013年):(1)フランス(43.05)(2)カナダ(15.36)(3)米国(7.41)(4)日本(6.23)(5)ドイツ(1.82)
参考資料:
Wikipedia ジブチ
外務省HPジブチ
駐日ジブチ共和国大使館HP ジブチについて
Wikipedia アッサル湖
地図出典:
旅行のとも、Zentech ジブチ地図
写真出典:
Street tailor by Francisco Anzola
26th MEU Djibouti LCAC Landings [Image 2 of 15] by DVIDSHUB

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