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海外就職経験者が見たシンガポール
~暮らす、働く、起業する~Vol.1

『シンガポールのイメージって、南国、マリーナベイサンズ、富裕層だけだと思っていませんか?』
灼熱の太陽に、屋上プールで有名なマリーナベイサンズの近代的ビル。富裕層が住む場所。そんなイメージを持たれる方は多いでしょう。シンガポールは日本にとって馴染みのある国でありながら、生活をしたからこそ見えてくる、実はまだ知られていない魅力が隠されています。

まずは、街の風景から見る、シンガポール

シンガポールの大きさは、東京23区とほぼ同じ。これほどコンパクトな国に人口約578万人が住んでいます。人種は、マレーシアから独立してシンガポールを作った華人を中心に、マレー系、インド系で構成。一つの国に多くの人種が混在して生活をしている、”人種のるつぼ”と表現されています。

さて、人種が混在しているとは、一体どういうことなのでしょうか?
シンガポールの街並みの風景からちょっと、想像してみてください。

まずは中心部のオフィス街に隣接する、チャイナタウン。その中にはインドの寺院がある。そして、チャイナタウンから公共機関MRTで4駅行った先には、インド人街のリトル・インディアが存在し、そこから歩けるほどの距離に、アラブ街のサルタン・モスクが現れる。一つの国にいながら、複数の国を旅行した気分になれる、日本ではちょっと見ない不思議な風景でしょう。


写真1:オフィス街に隣接するチャイナタウン


写真2:シンガポールチャイナタウンの中にあるインド寺院


写真3:シンガポールのインド人街、リトル・インディア


写真4:サルタン・モスクがあるアラブ街

そして実は、あまり知られていない事実があります。それは、外国人が全体人口の40%もいるということ。元々人種が多い国でありながら、更に外国人の割合も多いのです。

それは何故でしょうか?

外国人がスタートアップしやすい場所、シンガポール

シンガポールは、外国人が起業する場所として、とても有利となっているからです。
その理由は歴史から読み取れます。1965年8月9日、マレーシアに住んでいた華人たちは、マレーシアから追放される形で独立を余儀なくされました。それが国家の始まりとなりました。追いやられた結果、限られた国土や水資源しかないシンガポールでは、国として発展させるビジネスがないという問題に直面したのです。

しかし、その状況から、当時の大統領リー・クアンユーは思い切った戦略に出ます。その戦略とは『外国人を招き入れて、外貨を流入させることで国を発展させること』だったのです。そのため1961年にすでに設立していたシンガポール経済開発庁(EDB)を活用。税制面の優遇などを行い、外資系企業が投資・進出しやすい環境を整備しました。その結果、驚くほどの速さで、貿易、金融面での経済成長を遂げました。

この背景を知った上で、シンガポールを見渡すと、日本が学ぶべき国としてのあり方を見ることができます。国の発展に、外国人を視野にいれた政策や工夫が随所にあることに気付くからです。驚くほどシンプル、かつ効率的に組み立てられたシステムを目の当たりにすることでしょう。

これからこのコラムでは、私がシンガポールで働いて得た知識、経験を元に、「暮らすこと」、「働くこと」、「起業すること」を中心にお伝えしていきます。

写真:
写真1:4581-Singapore by xiquinhosilva
写真2:Buddhist temple detail Singapore #dailyshoot by Les Haines
写真3:Little India, Singapore by Khalzuri Yazid
写真4:Arab St Mosque Singapore by Brian Evans

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