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ウズベキスタン基本情報

ウズベキスタンは中央アジアで最も人口の多い国であり、2001年時点の人口は2515万人であった。2012年時点の人口29,559,100人は中央アジア全体の人口の約半数に相当する。

<民族・言語・宗教>
民族としてウズベク人が全人口の80%を占める。その他5.5%のロシア人のほか、タジク人(5%)、カザフ人(3%)、カラカルパク人(2.5%)、タタール人(1.5%)など多くの少数民族が住む。ソ連時代にはロシア人の割合は12.5%(1970年)を占め、首都タシュケントの人口半数近くがロシア人・ウクライナ人であったが、現在はウズベク民族主義や経済的な理由により急減している。
独立後しばらくはウズベク語とロシア語が使用されていたが、1995年12月の憲法改正でウズベク語が公用語となった。しかしウズベク語の表記がアラビア文字→ラテン文字→キリル文字へと移行されるとともにウズベク語使用に弊害が出始めたため、2012年には公的な文書にロシア語を使用することを政府が認めることとなる。結果、地方ではウズベク語を母語とする者の割合が高いが、首都タシュケントでは人口の約半数がロシア語話者であり、ロシア語が日常的に使用されている。一方で、英語が通じることは少なく、2005年時点の調査では、英語を話すことができると答えた人々の割合は9%にすぎず、ロシア語を話すことができると答えた人々の割合は中央アジア全体で80%を超えている。
全人口の約88%がムスリム(ほとんどがスンナ派)であり、東方正教会信者が9%、その他が3%となっている。国内のイスラム教信者の割合は高いものの、イスラム教の実践は一枚岩からは程遠く衣食に関する戒律は緩やかであり、基本的に女性は頭髪や足首を隠さない。 しかし、ブハラなどイスラム色の強い都市では女性がパンツ(ズボン)を履くことに対して良く思わない傾向があり、多くの女性はスカートを履いている。

<地理・気候>
北および北西地域はカザフスタンとの国境とアラル海に、南西部分はトルクメニスタンとの国境に、南東部分はタジキスタンとの国境に、北東部分はキルギスとの国境に接している。ウズベキスタンは中央アジアでも有数の面積を持つ国家であり、他の4国すべてと国境を接する唯一の国家でもある。このほか、ウズベキスタンは南部150kmに渡りアフガニスタンと国境を接している。
ウズベキスタンは乾燥した内陸国である。ウズベキスタンはリヒテンシュタインと同様二重内陸国であり(世界中でこの2国のみ)、海へと出るには国を2つ越える必要がある。加えて、海へと直接つながっている国内河川はなく、領土の10%にも満たない灌漑農業用地や河川流域のオアシスに似た土地で集中的に農業が行われている。残りの領土は広大な砂漠(キジルクム砂漠)と険しい山々で占められる。
気候はその大部分が大陸性気候であり、降水量は年間100~200mmと非常に少ない。夏季の平均最高気温はおよそ40°Cに達する一方で、冬の平均最低気温は約-23°Cと非常に低い。

<政治・外交・軍事>
国家元首である大統領は、ウズベク・ソビエト社会主義共和国大統領のイスラム・カリモフが独立以来長年その職にあったが、2016年9に急逝。上下院は、ミルジヨーエフ首相への大統領代行職の委任を決定。同年12月に大統領選挙が行われ、同月、ミルジヨーエフ大統領代行が大統領に就任した。首相と副首相は大統領により任命される。議会は定員150名の下院と定員100名の上院に分かれており、それぞれ任期は5年である。
全方位的外交を展開し、ロシアと同盟関係条約を締結する一方で、CIS諸国を含むアジア諸国やヨーロッパ諸国、アメリカなどとも友好関係を持っている。2001年9月の米国における同時多発テロ事件後は、国内空軍基地に米軍駐留を認めるなど米国との関係を強めてきた。しかし2005年5月のアンディジャン騒擾事件を受け、事件への対応に批判的な欧米各国との関係は大きく悪化し、カリモフ政権の立場を支持する露・中との関係強化が進んだ。2005年11月には、米軍の撤退が完了する一方でロシアと同盟関係条約を締結。2006年1月にはユーラシア経済共同体(EAEC)に加盟、6月にはCIS集団安全保障条約機構(CSTO)へ復帰したものの、2008年10月にはユーラシア経済共同体(EAEC)、2012年6月にはCSTOに対する自国の加盟資格を停止している。
ウズベキスタン軍は約68,000人の兵士を擁し、中央アジア最大規模の軍隊を持つ。国内には独軍が駐留している。

<経済>
ウズベキスタンの農業には労働者全体の約28%が従事しており、GDPの約24%を生み出している(2006年)。綿花はかつてウズベキスタンの主要外貨獲得品目であったが、独立以降はその重要性を低下させており、人口の急激な増加に伴い食料安全保障の観点から小麦の生産量が増加している。 鉱物と鉱業もまたウズベキスタンの経済において重要な分野である。金は綿花と並び外貨獲得の主要品目であり、非公式には輸出額全体の約20%を占めると見積もられている。ウズベキスタンは世界第7位の金生産国であり、年間約80トンの金を採掘し、世界第4位の金保有国となっている。ウズベキスタンには天然ガスも豊富であり、国内での使用と輸出両方に使用されている。石油と貴重な資源である石炭、鉛、亜鉛、タングステン、ウランは主に国内消費に使用されている。
ウズベキスタンの伝統的な貿易相手国は独立国家共同体 (CIS) の国々であり、特にロシア、ウクライナ、カザフスタンといった国々との貿易額は全体の40%以上を占めている。非CIS諸国の国々との関係も重要性を増しており、トルコ、中国、イラン、韓国、EUとの貿易が活発である。

【まとめ】

  • 面積:44万7,400平方キロメートル(日本の約1.2倍)
  • 人口:2,890万人(2013年:国連人口基金)
  • 首都:タシケント
  • 言語:公用語はウズベク語。またロシア語も広く使用されている。
  • 宗教:イスラム教スンニ派
  • 政体:共和制
  • 元首:シャフカット・ミルジヨーエフ大統領
  • 首相:アブドゥラ・アリーポフ
  • 軍事力:総兵力48,000人(陸軍24,500人、空軍7,500人、統合軍16,000人)、準兵力20,000人(ミリタリー・バランス2014年)
  • 主要産業:綿繊維産業、食品加工、機械製作、金、石油、天然ガス
  • 主要輸出品目:石油・ガス・石油製品、サービス、綿繊維、食料品、鉄・非鉄金属
  • 主要輸入品目:機械・設備、化学製品、食料品、鉄・非鉄金属、石油製品
  • 主要貿易相手国(輸出):ロシア、中国、カザフスタン、トルコ、アフガニスタン
  • 主要貿易相手国(輸入):ロシア、韓国、中国、カザフスタン、ドイツ
  • 主要援助国:ドイツ、韓国、米国、スイス、英国

参考資料:

地図出典:

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