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タジキスタン基本情報

民族・言語・宗教

民族の大多数はタジク人。その他、ウズベク人、ロシア人など。ロシア人人口は1959年に全人口の13.3%、ソ連からの独立前の1989年時点では7.6%を占めていたが、1990年代の内戦により大部分が流出し2010年には0.5%にまで低下した。

公用語はタジク語。タジク人の話すタジク語はペルシア語に近く、方言の一種とされる。ロシア語は第二言語として教育・ビジネス等で多く使用されている。ただし、2009年10月から国語法が成立し、公文書や看板、新聞はタジク語を用いることを義務付けられた。独立後にウズベク語やトルクメン語がキリル文字からラテン文字へ変わったが、タジク語はキリル文字のままである。

タジキスタン国民の多くはムスリムであり、スンナ派が大半を占めるが、ダルヴァーズ郡、ヴァンジ郡並びにムルガーブ郡を除くゴルノ・バダフシャン自治州では、服装・戒律とも極めて緩やかで、開放的なシーア派のイスマーイール派が大多数を占める。

地理・気候

タジキスタン地図 国土の90%以上が山岳地帯で、国土の半数が標高3000m以上。中国との国境に至る東部は7000m級に達するパミール高原の一部。首都のドゥシャンベの標高は700~800mで、北西部のフェルガナ盆地は標高300~500m前後と最も低くなっており、ウズベキスタン、キルギスと入り組んで国境を接している。

寒冷小雨乾燥の大陸性気候。気温は日較差、年較差ともに大きく、暑くなるのは夏季の日中のみで、冬季の寒さは厳しい。パミール高原の標高4000m以上の地域では、半砂漠の高山性気候。首都のある南西部の盆地では冬季に雨が降る。

政治・外交・軍事

国家元首は大統領。大統領の任期は7年だが、2016年の国民投票で、現職のラフモン大統領に限り任期制限が撤廃する憲法改正案が承認された。議会は二院制。国民議会(上院33議席、マジリシ・ミリー)と人民代表議会(下院63議席、マジリシ・ナモヤンダゴン)で構成される。両院とも任期は5年。

全方位的外交を模索しているが、ロシアへの労働移民からの送金、ロシア軍の国内駐留等、経済・軍事面でロシアへの依存度は大きい。9.11事件以降、米軍等の空域使用、軍事施設使用を許可している。中国からは、道路建設費用などの多額の借款供与を受けており、関係を深めている。アフガニスタンと国境を接するタジキスタンは同国の安定化に強い関心を有しており、アフガン復興への国際社会の協力を呼びかけている。

元々タジキスタンの文化は、ウズベキスタンの文化と同根。しかし、ソビエト時代の共産政権下においては、地域の文化組織は崩壊しウズベキスタンの文化とは分断されたこともあり、ウズベキスタンとは複雑な関係を抱えている。ウズベキスタンはタジキスタンからの航空路再開や査証免除協定に関する提案に消極的であり、さらに国境付近の地雷除去問題、水・エネルギー問題も存在している。

タジキスタン軍は陸軍、機動部隊、空軍及び防空軍、大統領国家警備隊、治安部隊で構成されている。総兵力8,800人(陸軍7,300人、空軍1,500人)、準兵力7,500人。インド軍、ロシア陸軍が駐留。徴兵は、18歳の男子が対象で、期間は2年間。

経済

独立後の内戦で生活水準全般が低下したものの、内戦後は経済成長に転じている。しかしいまだIMF、世銀と協力しつつ経済発展及び開発をすすめている状態で経済状態は厳しい。主にロシアなどからの出稼ぎ労働者の仕送りはGDPの36%を超え重要な収入となっているが、2008年10月の世界金融危機以降は、ロシア、カザフスタンの景気後退の影響を受けGDPの成長は鈍化。近年は7%前後のGDP成長率を維持している状況である。

主要産業は綿花栽培を中心とする農業、牧畜。工業部門では繊維産業が比較的発達している。鉱物資源は、アンチモン(世界第4位、世界シェア2.1%)および小規模ではあるが、金、銀、銅、モリブデンなどを有する。

タジキスタンのエネルギーは、7000mを超える高山、深い谷と急流、比較的雨量の多い地中海性気候という条件を生かし、水力発電に完全に依存し90%以上の電力を水力発電でまかなっている。生産された電力はアルミニウム精錬に利用され、生産量は世界シェアの1.2%に当たる31万トン、輸出金額に占めるアルミニウムの割合は53.7%にも達する。しかし原料となるボーキサイトはウクライナなどの外国からの輸入に頼っているため、その利権の全てがタジキスタン国内にあるわけではない。

まとめ

  • 面積:約143,100km2(日本の約40%)
  • 人口:840万人(2014年:国連人口基金)
  • 首都:ドゥシャンベ(Dushanbe)
  • 民族: タジク系(84.3%)、ウズベク系(12.2%)、キルギス系(0.8%)、ロシア系(0.5%)、その他(2.2%)(タジキスタン共和国統計庁)
  • 言語:公用語はタジク語 ロシア語も広く使われている。
  • 宗教:イスラム教(スンナ派) 85%、イスラム教(シーア派)5%、その他 10%(2003年)
  • 政体:立憲共和制
  • 元首:エマムアリ・ラフモン大統領(任期7年、1991年11月、2006年11月、2013年11月再選)(2007年4月に「ラフモノフ」から「ラフモン」に改姓)
  • 主要産業:農業(綿花)、アルミニウム生産、水力発電
  • 主要輸出品目:繊維・繊維製品(主に綿花・綿花製品)、電力、青果
  • 主要輸入品目:石油製品、鉱物(主にアルミナ、ボーキサイト)、小麦・小麦粉、動植物油、砂糖・菓子類 (2014年:タジキスタン共和国統計庁)
  • 主要貿易相手国(輸出):スイス、トルコ、イラン、カザフスタン、ロシア
  • 主要貿易相手国(輸入):ロシア、中国、カザフスタン、スイス、ラトヴィア、イラン
  • (2014年:タジキスタン共和国統計庁)
  • 主要援助国(2013年、DAC/International Development Statistics): (1)米国 36.9% (2)スイス 29.7%(3)ドイツ 26.8% (4)日本 26.7% (5)英国 12.1%
参考資料:
Wikipedia タジキスタン
外務省HPタジキスタン
世界地図を作ろう タジキスタン
Wikipedia タジキスタン軍
地図出典:
駐在員・東京事務局員日記 タジキスタンのラマダン明け
写真出典:
20141005_Tajikistan_0973 Khujand by Dan Lundberg
Central Dushanbe by Chris Price

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