World Map Asia

シンガポールのメイド事情からわかる日本と共通の社会問題

シンガポールでは共働きが当たり前。政府は女性を労働市場に積極的に呼び込むため、1978 年に「外国人メイド計画(Foreign Maid Scheme)」を策定し、働く女性の代わりに家事や育児を担う移民の受け入れに踏み切りました。2013年末でメイドさんの数は21万4,500人に上り、約5世帯に1世帯が外国人メイドを雇用していることになりますが、シンガポール政府は高齢社会を見越し、2030年までに30万人のメイドが必要になると試算しています。

メイドさんがいるというと「羨ましい」と単純に考えてしまいがちですが、現実はそれほど単純でも簡単でもないようです。実際に雇い/雇われるのは人間同士なので、コミュニケーションの問題はどうしても発生しますし、メイドさんを雇うにはそれなりの背景あってのこと。調べてみると、そこには「雇用問題」「社会問題(少子高齢化)」「政治」「文化」など様々な問題があることが伺えます。

シンガポール在住の人たちがメイドさんについてブログにたくさん投稿されていますので、そこから実生活における様々なトラブル・深いい話などを知ることができますが、もう少し国の状況を踏まえてまとめられている記事もありますので、今回はそちらをご紹介いたします。

働くママの助けとなるか?シンガポールに学ぶ「外国人メイドのいる暮らし」の現実
タビィコムさん(the huffington postより)
こちらのページでは、メイドさんを雇うまでの簡単なフロー、およびメイドさんの生活事情などがわかります。週一日しかお休みがないメイドさん。それ以外の労働条件も雇用主によって大きく違うのでしょう。

物価高騰がもたらしたシンガポール女性のジレンマ
島田裕一氏(CNET Japanより)
日本より出生率が低いシンガポール。日本同様、この先深刻な高齢化社会になるのは必至ですね。。。子どもを多く作らず仕事に明け暮れる女性は、キャリアのためというより高騰し続ける物価によって外に働きに出ざるを得ないようです。

KAMO CONSULTANCY HP
シンガポールにあるビジネスコンサルティング会社、KAMO CONSULTANCYさんの記事
こちらでは、その時々によってニュースとなっているメイド雇用問題などが取り上げられているので、時系列にどのようにシンガポール政府が問題に取り組んでいるのかなどを伺い知ることができます。
メイドさんを人として扱うように、とわざわざ政府が指導しているのも驚きですが、派遣元の国との調整については、お手本として日本もよく事前に観察して学んでおいた方がよいかもしれません。

40年近くも前から導入している外国人メイド計画ですが、いまだに問題はなくなっていないようです。一方、これからいよいよ深刻な高齢化社会となる日本ではまだほとんど手つかず状態。しかし労働力、特に介護の分野で人が足りないのは火を見るよりも明らか。もう先送りにはできないところまで来ています。


コメントはこちらから

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)