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マレーシア基本情報

<民族・言語・宗教>
マレーシアは民族構成が極めて複雑な国の一つ。大きく分けると、マレー系(約67%)、中国系(約25%)、インド系(約7%)の順で多く構成される多民族国家である。

公用語はマレーシア語(マレー語)となっているが多民族国家のため、中国系住民社会では中国語、インド系住民社会ではタミール語を使用。また、各民族間で会話をする際は広く英語が使用されている。

国教はイスラム教。マレー人のほとんどはムスリム。信仰の自由を認めている為、多民族国家を反映して仏教、ヒンドゥー教、キリスト教などを信仰する国民も多く存在する。

<地理・気候>
マレー半島の部分が「マレーシア半島(地区)」、ボルネオ島の部分は「東マレーシア(地区)」と呼ばれる。マレー半島とボルネオ島間の往来は、マレーシア国民であってもパスポートを必要とする。

マレー半島部分は南北740km、東西320kmで、ティティワンサ山脈が走る。ボルネオ島には世界遺産登録されているキナバル国立公園とマレーシア最高峰のキナバル山(標高4,095m)がある。

熱帯雨林気候に属し、1年を通して常夏の気候で年間の日中平均気温は27~33℃。海に囲まれているため高温多湿で降水雨量も多い。マレー半島の東海岸と西海岸、ボルネオ島で雨季が異なる。雨季であっても一日中雨が降り続くことはなく、乾季でもスコールが降る。

<政治・外交・軍事>
国王を元首とする立憲君主制。国王は13州の内9州にいるスルタン(首長)による互選で選出され(実質的には輪番制)任期は5年。行政府の長である首相は、選挙によって下院最大政党の党首が選ばれ、国王により任命される。任期5年。議会は二院制で、上院70議席(任期3年)、下院222議席(任期5年)。

ASEAN協力の強化、イスラム諸国との協力、大国との等距離外交、南々協力、対外経済関係の強化が対外政策の基本。ナジブ政権は、中国、米国、インド等との実務的な関係を強化。PKOには1960年から積極的に参加している。

英領マレーは、現マレーシアの西半分であり、1942年に日本陸軍が占領し以後約三年間を占領行政下においた歴史がある。戦後の対日関係については、「ルックイースト政策」を掲げたマハティール政権、それを継承したアブドラ政権の下で緊密な関係が維持されてきた。

兵力は正規軍10万人(陸軍8万人、海軍1万2000人、空軍8000人)、他に予備役が4万1600人。安全保障協定として、1971年にイギリス、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールと五ヵ国防衛取極(the Five Power Defence Arrangements) を締結しており、各国軍との連携を図っている.

<経済>
従来の農作物や鉱産物の輸出、観光業に依存した体質からの脱却を果たし、2020年に先進国入りするとの目標「ワワサン(ビジョン)2020」は、マハティール首相時代に掲げられたものである。その長期計画の基、マレーシアのGDP成長率は近年4%台後半を維持し、安定している。

1人当たりGDPは1万ドルを超えており、シンガポールを除くASEAN諸国の中で一番高い水準となっている。しかし一方、政情不安、原油安(マレーシアは産油国)、中国経済の減退感、新消費税の導入、リンギット安などにより好調とは言えない状況である。

マレーシアの鉱業はスズ鉱の採掘が中核で世界シェア8位 (1.7%) 。スズ以外の鉱物資源としては、金鉱、鉄鉱、ボーキサイト鉱など。有機鉱物資源では、石炭、原油、天然ガスを産し、石炭以外は世界シェアの1%を超える。はマレーシア産、マレーシアから日本への輸出品のほぼ半分が天然液化ガスである(日本が輸入する天然ガスの約20%)。

マハティール時代以降、工業化・国産化を推し進めており、国産車の製造に力を入れる一方、ルノーやデルコンピュータなどの外国企業の工場の誘致、 港湾の整備、空港や鉄道などの各種交通インフラの充実といった経済政策を積極的に行っている。

特に近年は、アジアにおけるIT先進国となるべく、ITインフラの整備や国内企業への支援などの経済政策を進めている。 その一環として、最新のITインフラが整備された総合開発地域「マルチメディア・スーパーコリドー」、ハイテク工業団地「サイバージャヤ」と、首相官邸や各省庁舎が立ち並ぶ行政都市「プトラジャヤ」、 クアラルンプール国際空港、および同空港敷地内にF1マレーシアGPも開催される「セパン・インターナショナル・サーキット」、世界で最も高いビル、「ペトロナスツインタワー」などが建設された。

マレーシアは人種別に一人当たりのGDPが異なり、民族間の経済格差が問題となっている。マレーシアで有力な経済人は華人系が圧倒的に多く、 一方マレー系コミュニティの経済格差は他民族と比較して極端に低い。そのため時に民族対立につながることもあるため、 政府はマレー系住民を優遇する「ブミプトラ政策」を採用し不満解消に努めている。

【まとめ】

  • 面積:約33万㎢(日本の約0.9倍)
  • 人口:2,995万人(2013年マレーシア統計局)
  • 首都:クアラルンプール
  • 民族:マレー系(約67%)、中国系(約25%)、インド系(約7%)(注:マレー系には中国系及びインド系を除く他民族を含む)
  • 言語:マレー語(国語)、中国語、タミール語、英語
  • 宗教:イスラム教(連邦の宗教)(61%)、仏教(20%)、儒教・道教(1.0%)、ヒンドゥー教(6.0%)、キリスト教(9.0%)、その他
  • 政体:立憲君主制
  • 元首:アブドゥル・ハリム・ムアザム・シャー第14代国王
  • 首相:ナジブ・ラザク
  • 国防予算等:5,000百万ドル(2013年予算)
  • 主要産業:製造業(電気機器)、農林業(天然ゴム、パーム油、木材)及び鉱業(錫、原油、LNG)
  • 主要輸出品目:電気製品、パ-ム油、化学製品、原油・石油製品、LNG、機械・器具製品、金属製品、科学光学設備、ゴム製品等
  • 主要輸入品目:電気製品、製造機器、化学製品、輸送機器、金属製品、原油・石油製品、鉄鋼製品、科学光学設備、食料品等
  • 主要貿易相手国(輸出):シンガポール、中国、日本
  • 主要貿易相手国(輸入):中国、シンガポール、日本

参考資料:

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