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GROOVY LIFE in KYRGYZ! ~キルギスで人生をグルーヴ~ Vol.10

放課後の活動(キルギス文化体験)

Саламатсыздарбы(こんにちは)!キルギス愛に溢れる男、長谷川貴司です。
夏真っ盛りですね!いかがお過ごしでしょうか?夏といえば花火大会や夏祭りなど様々な日本らしいイベントが地域で開催されますよね。普段は仕事に追われて近所づきあいもなかなかできないと思いますが、イベントに参加することで、地域とのつながりを再認識できるのではないでしょうか?私もこの夏は音楽で地域貢献をすべく活動をしています。

7月は地元ユーカリが丘(千葉県佐倉市)のビアガーデンにDJ Vodkaとして出演し、エスニック&サイケデリックなトランスでパフォーマンスさせてもらいました。もちろんキルギスの世界観を表現したオリジナル曲も投下しました。星空の下でキルギスの音を爆音で響かせるって本当に素敵な体験でした。8月もいくつかのイベントに出ますので、また報告させてもらいますね!

さて、Vol.9に引き続き私のキルギス文化体験について触れたいと思います。今回紹介するのは
「КВН」と呼ばれるものです。KGB(ソ連国家保安委員会)ではないですよ(笑)。
КВНとは、「Клуб Весёлых и Находчивых」の略で「カー・ヴェー・エヌ」と読みます。直訳すると「楽しい頓知のクラブ」になりますが、日本でいうお笑い選手権と笑点が融合したようなものでしょうか。コントや大喜利をチームで競いながら、勝ち上がり、頂点を目指すというものです。

КВНはキルギス古来の文化というわけではなく、ロシアを中心に、ロシア語圏全体に広がるカルチャーで、国境を超えて頓知の効いたコントを競い合うというなかなかスケールの大きいイベントです。日本のM1グランプリに、アジア全域から日本語ペラペラの外国人が参戦してくることを想像したらそのすごさがわかりますね(笑)。


КВНオープニング

ロシア語は世界的に知られている文学作品も多い一方、日本人にはあまり馴染みがないことですが、ユーモアの文化もかなり発展していて、「アネクドート」と呼ばれる、ロシアンジョークとでも言いますか、自虐的な面白い小話が充実しています。これからロシア語を勉強しようと考えている方へのアドバイスとしては、ドストエフスキー等の文学作品から入ると難解すぎて挫折の危険性が高まるので、日常会話にも使えるКВНやアネクドートから入るのが良いと思います(笑)。

КВНは、ロシア語圏全域に根付いており、高校や大学などでもクラブ活動として行われています。 地区予選を勝ち抜き、決勝トーナメントで優勝校を決める甲子園的な全国大会もあります。そんな背景がある中、ちょうど私の任期中に、ついに我がオスモノフ中等学校にもКВНチームが創設されることになったのでした。 顧問を勤めるのは、私の仕事のカウンターパートであるタチアナ・ヴィクトロヴナ(校長補佐兼情報科学担当)。そんなわけで、放課後のPC教室がコントの練習に使われるようになっていくのでした。


PC教室でのリハーサル風景

タチアナ・ヴィクトロヴナが、КВНチームの顧問になった以上、当然、私も巻き込まれました。 最初にКВНなるものを見たのは、チョルポン・アタ市内のライバル校であるキロフ高校との対抗戦でした。30秒から長くて2分くらいのショートコントで客席をドカーンと笑わせた後に、カッコ良い音楽がかかり、30秒くらいダンスをして次のコントに移るという、ミュージカル要素も加わった構成にとても感動したのを覚えています。

チョルポン・アタ最大のライバル:キロフ高校

私は、コントに音楽や効果音をつける作業のサポートをしたり、カメラマンとして地区大会に同行し、撮影係をやったりしていました。学校のクラブ活動の副顧問として遠征に同行し、生徒が勝てるようにサポートするという体験は日本の会社員生活では味わえないことなので、とても新鮮でしたし、生徒との一体感がとても嬉しかったです。
撮影係としてよかったことは、ロシア語が早すぎて聞き取れなかったり、ひねりが効きすぎて意味がわからないコントも、撮影動画を何度も再生して意味を理解したり、生徒に「どこが面白いのか」を解説してもらったりして、ロシア語の力がついたことです。КВН勉強法、本当におすすめです(笑)。


審査員席

また、コントの音楽サポートをしてよかったことは、読者のみなさんにはもう察しがついているかもしれませんね。私のプロフィールに記載されている「学校行事で生徒が音響機器を駆使する姿に触発され、帰国後DJに挑戦」の学校行事とは、年末などに学校で生徒によって開催されるDISCOと、あともうひとつがКВНです。音楽の選曲や、音響設備に触れた体験が、DJ Vodka誕生につながるなんて、あの頃の私に教えてあげたいです。人生って本当に面白いですね。このコラム連載も今後の人生にまた何かを巻き起こす気がしてなりません(笑)。


音楽担当のアレクセイ(ここからDJにつながるとは)

今回はここまでです。次回は学校行事について紹介したいと思います。お楽しみに!


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