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GROOVY LIFE in KYRGYZ! ~キルギスで人生をグルーヴ~ Vol.9

放課後の活動(キルギス文化体験)

Саламатсыздарбы(こんにちは)!キルギス愛に溢れる男、長谷川貴司です。
夏が近づいてきましたね。私にとっては、キルギス最大のリゾート都市であるチョルポン・アタが恋しくなる時期です。紺碧のイシククル湖に飛び込みたい!8月31日のキルギスの独立記念式典にDJとして出演決まったら飛んでいくのになぁ、と通勤電車の中で妄想を膨らませるのでした。

ただ、日本でも夏には花火大会をはじめ、地域で様々なイベントがあります。そういう場にDJ出演をする際、すかさずキルギスの音楽(私なりにダンスミュージックにアレンジしたもの)を投入し、浸透させていくことが私の楽しみなのであります!


イシククル湖のシーズンは6月~8月

さて、前回Vol.8では日本文化を伝える活動について紹介しましたが、今回は、私自身のキルギス文化体験について触れたいと思います。せっかく2年も滞在するのだから、キルギスの文化も体験・趣味化しないともったいないというもの。何に挑戦しようかとじっくり検討しました。

キルギス人は騎馬民族なので、馬に乗らせたら最強です。騎馬ラグビー(キョクボル)という競技があるのですが、読んで字の如く、馬に乗ってラグビーをやっちゃいます。「あんな風に馬を操れるようになって、ワイルドな男になるのもいいかも」と思いましたが、結局2年間一度も馬に乗ることはありませんでした(笑)


生徒も馬に乗らせたら最強

子供はロバでお散歩

最終的に私が趣味として選んだのは、キルギスの民族楽器「コムズ」でした。
コムズは、杏の木でつくられた3弦の楽器で、その乾いた音を聞くと、いかにもシルクロードっぽい雰囲気がでます。音色も特徴的ですが、奏法はもっとパンチが効いています。
打楽器的にボティを叩くのは当たり前で、演奏中に楽器を頭や肩に担ぎあげたり、おでこにくっつけたり、左手で楽器をもち、右手で弾いていた状態から左右逆に持ち替えたりと、かなりアクロバチックに演奏します。「小鳥」という曲では、右手で小鳥を模して羽ばたくように見せたり、楽器に動物の人形をつけて演奏とシンクロさせて踊らせたりと、見ていて全く飽きません。

私が滞在していた期間は、青年海外協力隊の間でコムズを習うのが流行っていました。定期的に集まって練習し、イベントにも出て、キルギス人から拍手喝采を浴びているのを目の当たりにしました。「俺も拍手喝采を浴びたい」と思い、早速体験レッスンを受けました。中学生までピアノを習っていたのが今頃役に立ったのか、先生から「筋がいいわね!」と言われたことで、勘違いスイッチがオンになり、「よし、コムズをやろう」となったのでした。


キルギス音楽の主役コムズ

思い返せばコムズを選んだのは大正解でした。一人暮らしの夜はとても暇で、大家さんが設置したテレビは半年くらいで壊れて役目を終えており、お手上げ状態(笑)。コムズは暇つぶしの救世主になりました。キルギスでは停電もよく起こっていたのですが、そんな時は、蝋燭を灯してコムズを奏でて過ごすのでした。
また、コムズはコンパクトで軽いので、いろんなところに持って行けるのもメリットでした。学校で授業のない時間に弾いたり、旅行先に持って行って弾いたりして、旅するミュージシャンを気取りました(笑)。


剣道ワークショップで演奏

旅先でも演奏

コムズでとんでもない大舞台に立ったこともありました。
カラコルという街のスタジアムで開催された、キルギスのトップアーティストが出演するイベントに「日出ずる国から来たコムズ奏者たち」として招待され、3,000人の観衆を前に日本人5名で演奏しました。
日本大使館主催のJapan Weekでは、キルギス音楽界の最高峰であるフィラルモニアでの演奏も実現しました。スポットライトと大観衆の手拍子を浴びながら演奏するのはとても気持ちよかったです。
帰国前には、大統領府にてローザ・オトゥンバエヴァ大統領の前でも演奏しました。コムズを通じて、数々の出会いや貴重な経験をさせてもらいました。


スタジアム演奏直前に天才コムズ少女と

今でも仕事でプレゼンテーションやスピーチをする際に、緊張することがありますが、そんなときは目を閉じてキルギスでの大舞台を思い出すようにしています。「あの時の緊張に比べたらたいしたことないな」と、気持ちを落ち着かせることができます。

ちなみに、私は決してコムズ演奏がうまいわけではありません。演奏技術ではなく、「日本人がキルギスの民族楽器を演奏すること」が、キルギスの人々の共感を得たと言えます。この経験から、音楽はコミュニケーションツールなのだと強く認識するに至りました。これから海外で活躍される方には、その国の楽器にチャレンジすることをお勧めします。きっと、現地の人々の共感を生むはずです。


Japan Week 2010

JICAキルギス事務所設立10周年記念式典

尚、キルギスではオーズコムズ(口琴)と呼ばれる楽器もポピュラーです。キルギスで初めてオーズコムズの不思議な音を聴いた時に、トランスというダンスミュージックのジャンルにはまりそうだなと思いました。帰国後にDJになる兆候がこの頃からあったのですね。人生は本当に面白いです!


海外では浴衣&甚平が役立ちます

今回はここまでです。次回もキルギス文化体験について紹介したいと思います。お楽しみに!


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