World Map Americas

カナダの映画事情

ノースハリウッドと呼ばれるカナダ。カナダの映画制作拠点は、主に三大都市圏(トロント、モントリオール、バンクーバー)に集中しており、特にバンクーバーは、ロサンゼルスに次いで北米で2番目に大きな映像作品の生産地である。

国をあげて取り組むカナダの映画産業

連邦政府は1939年国立映画法を制定、政府の一機関としてカナダ国立映画制作庁(National Film Board of Canada)を設立。1950年国立映画法で規定された目的は、「カナダ人及びその他の国々に対し、カナダを理解してもらうため」。その後も政府による産業育成は継続的に進められ、1968年にはカナダ映画開発公社(Canadian Film Development Corporation、後のテレフィルム・カナダ社)を設立、1970年代まで盛んとなったカナダ国内での制作・撮影を優遇税制により支援した。


カナダの映画祭

映画祭も数多く開催されるカナダ。中でもトロント国際映画祭は例年300以上の作品が上映され、ベルリン国際映画祭、カンヌ国際映画祭に次ぐ規模の来場者数321,000人を集める北米最大の映画祭。モントリオール世界映画祭(8月下旬から9月頭)と開催時期がほぼ重なり、競合状態となっているが、モントリオールはフランス語圏であるためフランス映画の出品が多く、ハリウッド映画の出品は少ない。

  • カナダ映画祭一覧(GALA Collection)

  • トロント国際映画祭
    毎年9月に開催される国際映画製作者連盟公認の国際映画祭。1976年に創設された非コンペティション形式の映画祭で「映画祭のなかの映画祭」と呼ばれている。国際的な注目度も高く、世界各地からメディアや配給会社、製作会社、バイヤー、映画監督、ハリウッドスターなどが毎年参加している。
    Tronto International Festival / FESTIVAL TRAILER 2015

ハリウッドで活躍するカナダ人俳優

カナダではNational Film Boardがアニメやドキュメンタリーの分野で多くのアカデミー賞を受賞して高い評価を得ているにもかかわらず、ほとんどの作品が制作費を回収できないようである。一方オーストラリアでは国内収益のみで制作費を回収することができており、その違いは顕著。そのためか、オーストラリア人俳優や監督達(メル・ギブソン、ニコール・キッドマン、ヒュー・ジャックマンなど)は、まず母国で成功してからアメリカへ活動拠点を移す人が多いのに対し、カナダ人は国内ではなくいきなりハリウッドでキャリアをスタートする人が多い。

参考資料:

写真出典: 21_août_2008_018 by Bruno Chatelin



コメントはこちらから

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)