World Map Americas

アルゼンチン基本情報

<民族・言語・宗教>
アルゼンチンの国民はヨーロッパ系が97%、インディヘナ(先住民)およびメスティーソ(白人と先住民の混血)などが3%である。日系人(二世、三世)は約23,000人とされている。ヨーロッパ系アルゼンチン人にはイタリア系(35.5%)、スペイン系(28.5%)の住民が多い。

公用語はスペイン語。スペイン語の他には英語、イタリア語、ドイツ語、フランス語、および多少の先住民言語なども使用されている。

宗教は、カトリック教徒が圧倒的に多く92%、その他プロテスタントが2%、ユダヤ教徒が2%。国教ではないので公務員は必ずしもカトリックを信仰しなければならないわけではないが、大統領はキリスト教徒しかなれない。

<地理・気候>
アルゼンチンはブラジルについで南米で二番目に大きい国。北は亜熱帯に属し、熱帯雨林が形成されている。西にアンデス山脈、東にはパンパと呼ばれ、国土の約20%を占める大草原が広がる。ウルグアイ川とパラナ川に挟まれた地域は、草原地帯のメソポタミア地方。コロラド川以南のパタゴニア地方には荒涼たる砂漠が広がっている。

バラエティーに富む地理と同様、気候も地方によって大きく異なる。北東部は亜熱帯性気候で年中暖かく、湿度や降雨量も一年を通して多い。アンデス山脈に接する北西部は高い標高のため乾燥し、直射日光も強い。中央部のブエノスアイレス周辺は温暖で湿潤、四季がある。湖、緑の森、山々に恵まれた南のパタゴニア内陸部は風は強いが夏でも涼しく、避暑地として知られている。

<政治・外交・軍事>
大統領を元首とする連邦共和制国家。二院制(上院72議席(任期6年)、下院257議席(任期4年))大統領・副大統領ともに直接選挙で選ばれ、その任期は4年で再選は1回のみ認められている。内閣の大臣は大統領によって任命される。大統領による職務執行が困難となった時は副大統領がそれを代行もしくは大統領に昇格する。

戦前は輸出で蓄えた経済力を背景にスペイン語圏を代表する国家として中南米を勢力圏に入れようとしていたが、1982年のマルビーナス(フォークランド)戦争、2001年のデフォルトによって国際的に孤立。 しかし現在はラテンアメリカ統合を受容しメルコスールへ加盟するとともに、債務の返済などを軸に国際社会への復帰が進められている。 国連平和維持活動に積極的に貢献するものの、フォークランド(マルビーナス)諸島の主権はいまも継続して主張している。

アルゼンチン軍は国防大臣によって指揮され、大統領が最高指揮官を兼ねる。志願兵制を採用。軍隊は陸海空の三軍の他に国家憲兵隊から構成される。 歴史的にアルゼンチン軍は、チリやブラジルとの軍拡競争の結果もあり、ラテンアメリカで最もよく整備された軍隊であったが、マルビーナス戦争の敗北以降、軍備は大幅に削減されている。

<経済>
主要輸出品目は小麦、トウモロコシ、牛肉、ワインなどの農産物に加え、パタゴニアの石油と、近年は天然ガスも有望視されている。

アルゼンチンは2回にわたる世界大戦に直接関与せず、各国への農産品畜産品の輸出により利益を得た20世紀半ばまでは世界有数の富裕国であった。しかし第二次大戦後、ペロン政権は産業構造の転換をうまく乗せることができず、次第に経済が低迷。 累積債務は雪だるま式に増えていき、1988年から1989年の間にはついに5000パーセントというハイパーインフレーションを記録、対外債務不履行を宣言。

メネム政権の新自由主義政策により、1990年代には年率9%にも達する経済成長を遂げるなど一時的に安定したが、1999年のブラジルレアル切り下げの影響で輸出競争力喪失、国際収支が悪化。 2001年11月14日には国債をはじめとした対外債務の返済不履行宣言(デフォルト)を発する事態に陥り、経済が破綻。 デフォルトにより貧困も拡大し、イタリアやスペインに職を求め大量の移民が流出。1980年代に国民の約60%を占めていた中間層は2005年には国民の約20%となり、貧困率は2002年で53%に達した。

2002年に変動相場制を導入してからは、通貨安のために輸出が拡大し経済が持ち直してきている。現在はメルコスールに加盟し南米諸国との経済交流を活発化。さらにアジア地域との連携も重視し、諸外国からの投資の増大に経済の復活を賭けている。

【まとめ】

  • 面積:278万㎢(日本の約7.5倍)
  • 人口:4,196万人(2014)
  • 首都:ブエノスアイレス
  • 民族:ヨーロッパ系(スペイン、イタリア)97%、先住民系3%
  • 言語:スペイン語
  • 宗教:カトリックが90%以上
  • 政体:立憲共和制
  • 元首:大統領(任期4年、1回限りの連続再選可)
  • 首相:首相職なし
  • 国防予算等:42.6億ドル(2013年)(ミリタリーバランス2013)
  • 主要産業:農牧業(油糧種子、穀物、牛肉)、工業(食品加工、自動車)
  • 主要輸出品目:燃料、大豆油かす、工業製品、動植物油、穀物
  • 主要輸入品目:機械、自動車、電気機器、産業用資材
  • 主要貿易相手国(輸出):ブラジル、EU、中国、チリ
  • 主要貿易相手国(輸入):ブラジル、EU、米国、ボリビア、トリニダ・ド・トバゴ、中国

参考資料:

コメントはこちらから

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)