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アルジェリア基本情報

民族・言語・宗教

国民の80%がアラブ人で、残り20%のほとんどがベルベル人であり、ベルベル人はカビリー地方のカビール人をはじめ、シャウィーア人、ムザブ人、トゥアレグ人など4つのグループに分かれる。わずかにフランス人(ピエ・ノワールの残留者)も存在する。南部の砂漠地帯には少数派の約150万人の遊牧民(ベドウィン)やスーダン系黒人が住む。難民キャンプには、西サハラからのサハラウィー人46,000人が居住している。

主要言語はアラビア語とベルベル語だが、公用語はアラビア語のみである。1962年の独立以来植民地時代のフランス語教育への反動で急速なアラビア語化が進んだが、同時にベルベル語話者のアラビア語化反発を招き、2002年の憲法改正によってベルベル語(タマジグト)が国民語として認められた。フランス語は公式な公用語には指定されていないが、公的な場面で広く用いられており事実上の公用語となっている。大多数の国民はフランス語を話す。

宗教は99%がイスラム教で、そのほとんどがスンナ派である。イバード派もわずかに存在し、ムザブ人等のベルベル人がこれに属す。また、キリスト教徒やユダヤ教徒もわずかに存在する。

地理・気候

アルジェリアと周辺国の地図 国土の大部分を砂漠が占め、乾燥した平原地帯となっている。北部は2000m級のアトラス山脈が走り、地中海沿岸は雨量も多く草原なども広がり、国民の約95%がこの地域に居住している。地中海の対岸にはスペイン、フランスが存在する。ユーラシアプレートとアフリカプレートの境に位置するため地震国である。

北部は温暖で典型的な地中海性気候で、5~9月までが乾季、10月~4月までが雨季である。年降水量は600~800mm程度である。アトラス山脈以南はステップ気候から砂漠気候へと変化する。平均気温は、夏は20から25℃、冬は10から12℃。アトラス高原から南に行くにつれて冬と夏、昼夜の温度差が激しくなり、降水量が少なくなる。山岳地帯では、冬になると雪が降り、吹雪になることもある。

政治・外交・軍事

大統領を国家元首とする共和制。大統領は民選で、任期は2期5年とされていたが、2008年に当選回数制限が解除された。議会は一院制をとってきたが、1996年11月の憲法改正により両院制(二院制)へ移行した。下院は380議席、上院は144議席。

基本政策は非同盟中立、アラブ連帯。1960年代から1970年代まではキューバや北ベトナムと共に第三世界諸国の中心的存在だったが、1979年のシャドリ・ベンジディッド政権成立以来現実主義・全方位外交を基調。1988年以降は国内で吹き荒れたテロの影響もあり、外交面での目立った動きはなかったが、1999年のブーテフリカ大統領の誕生以降は、ほぼ全てのG8諸国を訪問するなど活発な外交活動を展開し、国際舞台への復帰を達成。1990年代の国内テロのイメージを改善することに尽力し、アルジェリアの新しいイメージ定着を目指している。

アフリカ諸国、アラブ諸国の中心的存在にある国の一つであり、アフリカ連合、アラブ・マグレブ連合、アラブ連盟に加盟している。2005年にはアラブ連盟の議長国を勤め、国連の非常任理事国にもたびたび選出されている。

独立以来国家体制の相違や、領土問題、パレスチナ問題への取り組み、アルジェリアによる西サハラ独立運動の支援など様々な要因により、アルジェリアはモロッコとの対立を繰り広げてきた。1994年以来、モロッコとの国境は封鎖されている。モロッコが大部分を実効支配する西サハラの独立を訴えるサハラ・アラブ民主共和国とポリサリオ戦線を一貫して支持し続け、アルジェリア領内には西サハラ難民の難民キャンプが存在する。

アルジェリアの軍隊はアルジェリア人民国軍(ANP)と称される。軍は陸軍海軍空軍の3軍と防空軍、ジャンダルメ(警察軍)によって構成される。

経済

同国経済の中心は、原油・天然ガスを始めとする炭化水素部門(原油生産量:世界第19位、天然ガス生産量:世界第9位(2015年、BP統計)で、同資源収入は、輸出総額の97.2%、財政収入の59.2%、GDPで27%を占めている(2015年アルジェリア中銀)。

金属資源としては、300トン(世界シェア同率3位)に達する水銀の採掘が特筆に値する。リン鉱石、鉄鉱石の埋蔵量も多いが開発は進んでいない。

国内産業は農業が主で、国土面積のうち3.5%が耕地であり、人口の10%弱が農業に従事している。主要穀物は、乾燥に強い小麦のほか、大麦も栽培されている。また、地中海性気候に適したナツメヤシ(世界シェア7位)やオリーブ、柑橘類の生産も盛んである。

1962年の独立以降、大型開発計画の策定を通じた重工業の推進により、経済成長を遂げたが、1984年以降の原油価格の下落によって、財政状況及び国営企業の経営が悪化し、社会主義経済から市場経済への転換が図られた。政府は積極的に経済改革を推進し、諸外国からの投資を誘致したり、国営企業を売却するなどしているが、経済の多角化は進んでおらず、石油や天然ガスに頼ったままである。失業率も30歳以下で70%前後と高く、未だ解決に至っていない。

対外経済関係では、2005年にEUと連合協定を締結し、2020年までに自由貿易圏の構築を目指しているほか、WTO加盟交渉中。

まとめ

  • 面積:238万km2(内、砂漠地帯約200万km2
  • 人口:3,967万人(2015年、世銀)
  • 首都:アルジェ
  • 民族:アラブ人(80%)、ベルベル人(19%)、その他(1%)
  • 言語:アラビア語(国語、公用語)、ベルベル語(国語)、フランス語(国民の間で広く用いられている)
  • 宗教: イスラム教(スンニ派)
  • 政体:共和制
  • 元首:アブデラジィズ・ブーテフリカ大統領(1999年4月~)
  • 主要産業:石油・天然ガス関連産業
  • 主要輸出品目:炭化水素(石油、天然ガス)
  • 主要輸入品目:資本財、半製品、食料品、消費財
  • 主要貿易相手国(輸出):スペイン、イタリア、フランス、イギリス、オランダ
  • 主要貿易相手国(輸入):中国、フランス、イタリア、スペイン、ドイツ(日本は輸出入とも第15位)
  • (2015年、アルジェリア財務省)
参考資料:
Wikipedia アルジェリア
外務省HPアルジェリア
世界地図を作ろう 世界の国々 アルジェリア
地図出典:
旅行のとも、ZenTech アルジェリアと周辺国の地図
写真出典:
algeria_2012-2014 by Hichem Merouche
M’zab Valley by Dan Sloan

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