イギリスの正式名称は、「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国（英: the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland）」で、通称としてイギリス、あるいは英国（えいこく）、UKと一般的に称されている。イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの４つの国により構成される連合王国（立憲君主制国家）である。
＜民族・言語・宗教＞
イギリスは多民族国家で、イングランドを中心に居住するゲルマン民族系のイングランド人（アングロ・サクソン人）、ケルト系のスコットランド人、アイルランド人、ウェールズ人だけでなく、旧植民地出身のインド系（印僑）、アフリカ系、カリブ系、アラブ系や華僑なども多く住んでいる。
事実上の公用語は英語であるが、ウェールズではウェールズ語、アイルランドでアイルランド語というように、それぞれの構成国で英語とは別の言語が話され公用語となっている。
宗教構成は、キリスト教徒74.7%、イスラム教徒2.3%、ヒンドゥー教徒が1.1%（2011年国勢調査）となっていて、 キリスト教の内訳は、英国国教会が62%、カトリックが13%、長老派が6%、メソジストが3%程度と推定されている。
＜地理・気候＞
イギリスはグレートブリテン島のイングランド、ウェールズ、スコットランド、およびアイルランド島北東部の北アイルランドで構成されている。この2つの大きな島と、その周囲大小の島々をブリテン諸島と呼ぶ。４つの構成国の他、紛争したフォークランド諸島を含む14の海外領土を有している。
イギリスの大半はなだらかな丘陵地及び平原で占められており、国土のおよそ90%が可住地である。そのため、国土面積自体は日本のおよそ3分の2（本州＋四国）である一方、可住地面積は逆に日本の倍近くに及んでいる。また日本は国土の3分の2が森林で覆われているのに対し、イギリスの森林率は11%ほどである。
＜政治・外交・軍事＞
政体は立憲君主制で国家元首はイギリスの君主（現在はエリザベス二世）。不文憲法の国家であり、イギリスの議会は、上院（貴族院）と下院（庶民院）の二院制となっている。従来右派の保守党と左派の労働党により二大政党制化していたが、近年では第三勢力の自由民主党（旧自由党の継承政党）の勢力も拡大してきている。
核保有国であるイギリスは安全保障理事会の常任理事国であり、G8、NATO、EUの加盟国（ただし通貨統合はしていない）でもある。軍事費は現在GDPの2.5%（約377億ポンド）を占めている（世界で２位）。現キャメロン政権は各国との二国間関係を強化し、外交を英国の経済発展・繁栄に結びつけるとの発想に重きを置いている。
＜経済＞
2013年時点でGDPは2兆5357億ドルで、世界第6位、欧州では、ドイツ、フランスに次ぐ第3位である。同年の一人当たりのGDPは39,567ドル（2013年 IMF）。世界屈指の証券取引所であるロンドン証券取引所では、外国為替の1日平均取引金額は2兆7260億ドルであり、アメリカの2倍以上の規模で世界一を誇っている。
産業革命以降、世界経済をリードしてきたイギリスは、19世紀後半から衰退を見せ始め、第二次大戦を経て1960年代後半には深刻に行き詰まるまでとなってしまった。
その後、1980年代のサッチャー政権、1997年に登場したブレア政権により一旦は復調を見せるものの、2008年アメリカのサブプライムローン問題でまた打撃を受ける。2013年7月に就任したカナダ出身のカーニー新総裁のとった金融政策も功を奏したのか、2014年の経済成長率は、2.6％と、金融危機以降で最大の伸びを示し景気は回復傾向にある。
【まとめ】
- 面積:24.3万平方キロメートル（日本の約3分の2）
- 人口:6,180万人（2010年）
- 首都:ロンドン（人口約758万人、2010年）
- 言語:英語（ウェールズ語、ゲール語等使用地域あり）
- 宗教:英国国教等
- 政体:立憲君主制
- 元首:女王エリザベス二世陛下（1952年2月6日即位）
- 政府:キャメロン保守党・自由民主党連立内閣（2010年5月発足）
- 国防予算等:国防予算（2012／2013年） 約377億ポンド（英国財務省）
- 主要産業:自動車、航空機、電気機器、エレクトロニクス、化学、石油、ガス、金融
- 主要輸出品目:原油・石油製品、自動車、医薬品、発電機
- 主要輸入品目:原油・石油製品、自動車、食料品、電気機器
- 主要貿易相手国： ドイツ、米国、オランダ、フランス、中国
参考資料：
Wikipedia イギリス
Wikipedia イギリスの経済
外務省HP英国
写真出典：
Underground by Hernán Piñera
Celebrating VE & VJ Days 50th Anniversary, by C.K. Tse