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ネパール基本情報

ネパールは多民族・多言語国家(インド・アーリア系の民族と、チベット・ミャンマー系民族)であり、宗教もヒンドゥー教、仏教、アニミズム等が混在する。公用語はネパール語だが、政府・企業・教育機関では積極的に英語が多用されている。 ヒンドゥー教は現在、国教ではなくなったものの、いまだ80%を超える割合を保っている(次いで、仏教徒 10.7%, イスラム教徒 4.2%, キラント教徒 3.6%, その他 0.9%)。

2008年に王制を廃止し、連邦民主主義共和国となった。本格憲法はいまだ制定されておらず、暫定憲法のもと暫定政権が執り行われている。もともとの経済力不足に加え、政治の不安定状態および国全土の蔓延する賄賂により、行政機関の構造も複雑化、インフラ整備なども進んでいない。

地理的な条件としては、インド・中国に囲まれた東南方向に細長い内陸国で、国土は世界最高地点エベレスト(サガルマータ)を含むヒマラヤ山脈および中央部丘陵地帯と、南部のタライ平原から成る。ヒマラヤ登山の玄関口としての役割を果たしている。国土の総面積は147,181平方キロメートル(北海道の約1.8倍)で、東西の横幅は800km、南北の縦幅はわずか230km。しかしこの狭い横長の国の気候はその地形(最低海抜約70m〜最高海抜約8,000m)から極めてバラエティー豊かなものとなっており、タライ地方(平野部)の亜熱帯性気候からヒマラヤ高峰帯の高山気候まで見ることができる。国土の中心となっているのは山岳地帯や丘陵地帯で、世界に14座しかない8,000mを超える高峰のうち、実に8座がネパールにある。

またネパールには潤沢な河川があり、大半がヒマラヤを水源としている。これらのネパールの河川はすべてインドの河川に注ぎ込んでおり、その殆どはガンジス川へと合流している。この河川の水量を利用して電力をまかなっており、ネパールの発電量のほぼ全てを水力発電が占めている。ただしその発電量は不足しており、計画停電が行われているのが現状だ。


後発開発途上国に分類されているネパールの平均所得は非常に低い水準で、1日2ドル未満で暮らす貧困層は2200万人と推定され、その比率は国民の70%を超えている(2011年アジア開発銀行)。主要産業は農業。従事者は就業人口の約8割、GDPの約4割を占める。米や小麦、トウモロコシ、ジャガイモ、ジュートなどが主たる農産物である。ネパールの総面積の約20%が耕作可能な土地で、その他33%は森林地帯。残りの大部分は山岳地帯である。それ以外の産業としては、繊維産業と観光業が主たるものとなっている。ヒマラヤ山脈からもたらされる豊富な水源は水力発電のみならず、カヤックやラフティングといったアドベンチャースポーツを行う際の観光資源として活用されている。

東西と南にインドに囲まれるネパールのメインな貿易パートナーはインドで、二国間の1996年二国間貿易の条約の締結以来、急速に上昇し、現在はすべての輸出の43%を占めている。中国はネパールへの第2位の輸出国であるが、インドとは違って、ネパールの商品の輸入は殆どしていない。ネパールとインド/中国間はパスポートおよびビザなしで行き来でき(日本人のネパール入国はビザが必要)、ネパール国民はインドで自由に働くことができる。

【まとめ】

  • 政体: 連邦民主共和制
  • 公用語: ネパール語
  • 首都: カトマンズ
  • 元首 :大統領 ラム・バラン・ヤダブ
  • 首相: スシル・コイララ
  • 面積: 140,800km2
  • 人口密度: 209.65人/km2
  • 通貨: ネパール・ルピー(NPR)
  • 時間帯: UTC (+5:45)
  • 名目GDP: 約124.87億ドル
  • 一人当たりGDP: 約472ドル
  • GDP実質成長率: 5.3%
  • 物価上昇率: 13.2%
  • 総貿易額:
  • 輸出: 約8.7億ドル
  • 輸入 約37.0億ドル
  • 主要貿易品目:
  • 輸出: 既製服、カーペット、銀器、宝石類
  • 輸入: 石油製品、糸、化学肥料
  • 主要貿易相手国:
  • 輸出: インド、米、独、中国
  • 輸入: インド、中国、インドネシア

参考文献:
Wikipedia ネパール
Wikipedia ネパールの経済
在日ネパール国大使館HP

写真出典:
Durbar Square Kathmandu, Nepal by neiljs
Nepal – Evening lights at Bhaktapur by Dhilung Kirat


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